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吸血鬼がいく。  作者: あれです。
1章 VRMMO
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2 エルフ姉弟。

一瞬意識が沈んだ後直ぐに目が覚めると、街の広場に立っていた。

周りを見ると何人か俺と同じ服装の人が居る。

俺は自分の手を見て頭に?が浮かんだ。

【日光脆弱】があるのに何も変化が無い?



暫く考えてシステムの言葉を思い出す。

《スキルの一部を引き継ぎ……》

なるほど、引き継いだスキルに耐性があるのか。

しかしよかった、あの地獄の日焼け訓練をしなくて済むのは有難い。



今までのゲームならステータス確認をするが、このゲームは筋力とかのステータスが無い。無いと言うのは見れないだけで裏ステータスとして存在してるが、プレイヤーの行動でそれは変わる。

筋トレすれば筋力の熟練度が上がるし、走り込めば体力や瞬発力の熟練度が上がる。

そこは現実と変わらないがやればどこまでも上がるらしいのでそこは現実とは違う、片手で車を持ち上げる程の筋力にもなると言う事だ。


改めて自分の服装を確認すると、初期装備の白い服だが武器が無いのでインベントリメニューを開いてみるといくつか入っていた。



・保存食×10

・水×10

・初級回復ポーション×3

・初級魔力ポーション×3

・初心者のナイフ

・初心者の刀



早速初心者の刀をメニューから腰に装備する。

次は服装を変えたいな……初期の所持金は1万Gゴル

とりあえず金を稼ぐ為に狩りをしないと……早速行くか。



マップを開いて東門へ向かおうとした時……。

「し……ミクトさん!」

声をした方へ視線を向けると、よくしっている人物がこちらへ向かっていた。

「お久しぶりです」

「久しぶりだなエル」

長い金髪で革鎧を着ているがスタイル抜群の綺麗なエルフだ。



彼女は前のゲーム、ネオワールドで戦い方を教えていた弟子だ。

ネオワールドには現実で道場やプロの格闘家、武術をやっている人が多くいた、実戦経験を積めるからだ。

怪我をしてもアイテムや魔法で治す事ができ死んだらリスポーンする、そんな世界ではそういう人達には都合のいい環境だった。

俺もよく戦ったな。

昨日の晩エルから現実の方で連絡があり、今日からログインする事を伝えてたが、まさか待っていたとはね。





『君達初心者でしょ? 俺達と一緒にパーティー組もうよ、いろいろ教えてあげるよ?』

エルと話しているとそんな言葉が聞こえて来た方へ視線を向けると、初日からやっている男のプレイヤーが、今始めた初心者の女の子プレイヤーをナンパしていた。

「ああいう奴はどのゲームでもいるんだな」

「そうですね、バカが多いですよ」

エルは苦笑いを浮かべながら答えた。

「ん? ……ああ、お前もナンパされたか」

「はい……」

「エルなら追い払えただろ?」

「……はい、そうなんですが……」

何か歯切れが悪いな、何かあったのか?



そんな話をしていると男達が女の子に近づき肩を組んで無理やり連れて行こうとしてると、声を掛けるプレイヤーが現れた。

「あの子達ガード設定してないのか?」

「知らないのかもしれませんね……あっ何か言い争ってますね」

おお、邪魔すんなよとかいろいろ言ってるね……俺が止めようと思ったけどあいつなら大丈夫だろう。

そうやって見ているとナンパしていた2人の男が去って行き、助けに入った男と助けられた女の子2人が近づいて来た。



「お久しぶりです師匠!」

そう言って頭を下げたのは女の子を助けたエルフの男、金髪のオールパックにしたイケメンで、ローブを着ている。

「久しぶりだなエン」

こいつはエルの実の弟でエルと一緒に戦い方を教えていた弟子だ。

最初何度か師匠と呼ぶなって言っているが聞かないので好きに呼ばせている。

「まあまた今度ゆっくり話そうか、今から狩りに行って来るからお前はその子達の面倒見るんだろ?」

そう言って女の子達を指した。

「あっ、はい、ガード設定とかも知らないみたいなので……では次の街で合流しませんか?」

「ん~……そうだな、それでいいか……エルはどうする?」

「勿論ミクトさんと一緒に行きますよ、5ヶ月弱先に進んでるので分からない事は聞いてください」

そうか、このゲームは現実時間の30分でゲーム内は体感1日なんだった。

連続最高ログイン時間は5時間、ゲーム内だと体感10日間でログアウトしたら10分はログイン不可と決まっている。 凄い技術だ。

ネオワールドではゲーム内1日で現実時間1時間だったのが、更に短縮されている。




「狩りに良い場所はあるか?」

俺がエルにそう聞くと少し考えて答えた。

「東は草原があって、比較的弱い動物や魔物が居ます、南は森があって虫と獣系、西は山に続いていて硬い魔物、北は……」

「北は?」

「人型の強い魔物や盗賊、山賊が出ると言われています」

言われている?

「誰も行ってないのか?」

「はい、街の住人に聞いて私も1度行きましたが、魔物が強くて街の近くは弱いんですが、少し進むと、人型の魔物が群れで居まして」

なるほど、一般人は人型の魔物を相手にするのが嫌で行かず、それなりに戦える人でも群れになると厳しいって事か。

ちなみに住人とはNPCの事だが、生きている人となんら変わらない程のAIだ。



「次の街は何処にあるんだ?」

「この街から北東に馬車で4時間程行った所ですね」

「西とか南に街は無いのか?」

「ありません、南は海まで森が広がっていて、西の山を越えれば他国で関所は封鎖されています、北は誰も見てませんね」

そんな事言われたら行くしか無いでしょ。

「じゃあ北へ、一旦見に行って見るか」

「そうなりますよね……」

エルは苦笑いをしながら答えた。

「流石師匠!」

エンはいつも肯定だな!



広場でエン達と別れエルと2人で北門から出ると、50メートル程先から林の中に入って行くようになっていた。

「さて、この先がどうなってるのか確かめに行こうか」

「……はい!」

緊張し過ぎだろ。

「キャッ!」

「緊張し過ぎだ」

俺がエルの脇腹を突いて緊張を解す。

「もうこそばいの苦手なんですから止めて下さいよ!」

「知ってる……訓練してる時もやったからな」

ムスッと膨れた顔をして文句を言うエルにそう答えると、顔を赤くして口を尖らせながら顔を逸らした。



行くぞ、と声を掛け街道を歩き始める。

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