16 達磨2
Side:達磨
師匠にはゲーム内で20年程習って一通り教わった後は、好きにプレイをしながら他のプレイヤーに槍を教えたりしながら過ごし、気が付けばネオワールドが終了した。
そして運営から招待メールが来てアライブワールドを始めると、槍を教えた何人かに再開する。
「先生! お久しぶりです! また槍を教えて下さい!」
「あぁそうか、まだ全部教えてなかったな、良いぞ!」
弟子達に槍を教えながら俺は帝国へ行き、活動範囲を広げていった。
ある日1人の弟子が聞いて来た。
「先生、PKってしても大丈夫ですか?」
「PK?」
まあ、現実じゃできない事をやるのがゲームだしな。
「程ほどにしとけよ?」
「はい!」
そんな日々を過ごしていると、弟子達からは『今日は何人狩りました』とか報告がくるようになった。
その度に俺は程ほどにするよう注意をする。
しかしそんなある日、他のプレイヤー達が俺を襲って来た。
「おい! お前がPK達の頭か! お前達はやりすぎたな、俺達は連合を組んでお前達PKを殲滅する!」
何を言ってんだこいつは?
俺がPKの頭? いやいや、PK達が誰かの下につくとか無いだろ……あるのか?
まあいいか。
「違うけど?」
「嘘ついても無駄なんだよ!」
なんでこいつらこんなに燃えてんの?
えっ? 俺何したっけ? ……何もしてないよな。
そんな事を考えてると、数人が俺に向かって来た。
「おっと……あぶねぇな」
「なかなかやるぞこいつ……」
すると弟子達が出て来て、全員をPKした。
「先生危なかったですね」
「おう、まあ助かった、サンキュー」
俺はそのやり取りで気が付いた。
えっ、こいつらが俺の事先生って呼ぶから俺が頭になってんじゃね?
「俺は暫く忙しいから、後は任せた!」
そう言って姿を消して数日経つと、弟子達はあっちこっちに散って行った。
これで収まるだろうと思っていたのだが。
その後、帝都から離れた街の付近で暫く狩りをして過ごしてると、弟子からビデオチャットが来た。
「どうしたソウエン?」
『いや、すみません先生、突然……』
何だ?
「気にすんな、それより何かあったのか?」
『実は先生と話したいって人が居まして』
俺と? また弟子に成りたいとか?
「あぁ……まあいいか、良いぞ」
その返事で画面が別の方を向いた。
俺はまず挨拶と思い……。
「いやぁどうもはじめ…………」
………………。
『ようダル、久しぶりだな』
画面には、俺が良く知っている、黒髪赤目の男が映っていた。
『お前、弟子を持ったんだって? まさか『あの』ダルがな~……明日までにサキドに来い、来ないなら俺が帝国に行く、分かったな?』
えっ、こっちに来るって言った?
ヤバいヤバいヤバい!!!
もしかしてバレてる!?
約束を破ってしまった事!?
これはもうどうしようも無い……。
俺はジャンピング土下座した。
「すみませんししょうぉおおお!!!」
すると無慈悲な返事が来た。
『もう分かってんだろ? ……謝罪は意味がない』
これはまずい、非常にまずい!!
「今からすぐ向かいまっス!!」
俺はそう言ってチャットを切った。
ヤバい急がないともう夕方だ。
馬車、いや……走った方が早いか!
走れ! 俺の足よ! 壊れようとも走り続けろ!!!!
師匠の前に行ってとりあえずジャンピング土下座しかない!!




