2限目
「先生、こんな誰でも知っているような事ばかり教えるんですか?」
教室で一番年長のトグルが質問する。
ルシオン先生が眼鏡のふちをさわる。眼鏡が光った様に見えた。
「基礎が大切です。トグル、なぜ?君はみんなが知ってると思うです?知っていたとしても忘れてしまってる人と思わないですか?あなただけ良ければいいのですか?」
ずいとルシオン先生はトグルに顔を近づける。
「急いでも学校は短くなりません。トグル、君は士官学校からのこの学校ですね。同僚達が先に騎士として働いて焦る気持ちはわかります。焦っても何も生まれません。今を大切にしなさい」
うぐとトグルは声を飲み込む。
「他に質問は?なければ授業をはじめますゆ」
ロッシーがおずおずと手をあげる。
「ロッシー、なんですか?」
「トイレ~」
「トイレは授業が始まる前に言ってください」
「今日は竜の種類について教えます」
黒板にチョークでルシオン先生は三角形を大きく書く。
三角形の頂点に鱗竜、その下に飛竜さらにその下に土竜、水竜と書く。そして最下位に小竜と書く。
「これは竜の力関係を表してます。鱗のついた竜を見たらまず逃げなさい。人になれず、人より何倍も長寿命で賢い。下手に近付くと殺され場合があります」
鱗竜に赤いチョークで丸で囲み。人 殺など物騒な文字をルシオン先生は書く。
「次に飛竜。飛竜は竜騎士が乗っている竜ですね。家族思いで人も仲良くなると家族だと思います。家族を守る為、戦闘能力が高いです。適応能力も高く寒い地方ではふさふさな毛が生えた飛竜がいます」
その言葉を聞きナオは落ち込む。私の家族も竜達を家族だと思っていた。お父さんが死ぬ前日も竜達ははお父さんと仲良くしていた。
隣でノートに鉛筆で必死で書く音が聞こえた。エリー凄い。あんなに結婚相手探しなんて言ってたのに真剣に勉強している。こんな事考えてちゃダメだ。私も真剣に勉強しなきゃ。
「次に土竜、水竜だ。人になれず、飛竜に比べて臆病だ。土や水に隠れてめったに人の前には表れない」
「次に小竜だな。かなり人なつっこい。小さいから自分で食料を確保するのが難しい。人になつく事で食料を確保している」
エリーがノートを書きおえナオ見てにっこり笑う。そしてナオにノートを誇らしげに見せる。
トグル・ワーズ
トグルの少し鋭い目と騎士らしい筋肉質の体型特徴をとらえられたかなり本人にた絵がかかれていた。そしてその横には士官学校出身、竜騎士候補、18歳と本人情報がかかれていた。
エリー、、、ナオは脱力し、机に顔を伏せた。