休憩時間
竜専門学校は城の近くの学校地区にあり医学学校、士官学校、技術学校、高等学校、大学等もある。勉学の邪魔になると繁華街から遠く、城と聖なる竜山の間にこの地区はある。
学ぶ為に地方や他国からくる者も多く寄宿舎もかなりあり、ナオはその寄宿舎にすんでいる学生相手の食堂に住んでる。
「メグさん、だたいまぁ。今から手伝いするね」
ナオは手を洗いエプロンをつける。
「お帰りなさい。手伝いなんてしなくていいにの勉強しなくて大丈夫?」
「大丈夫だよ。まだ入って3日だからほとんど中等学生の復習だよ」
「本当に~?何かあったらサオに申し訳なくって」
メグさんは目頭にエプロンをあてる。
リリィとは私の母親の事で父がなくなった後、後を追うように死んでしまった。メグさんが心配するといけないので言ってないがショックな出来事が続いたせいか母親が死んでからメグさんが私を迎えにくる1年ぐらいほとんど記憶がない。なので母の死は父の死より気持ちが薄い。
「そんな事でお母さんは何にも言わないよ。むしろ手伝いをしない方が何か言われるよ。これ切るね」
人参の皮をむき、ナオは切りはじめる。
「ありがとう」
学生相手なので昼は学校で食べて、夕食を近くの食堂すます学生が多く夕方はかなり賑わう。ナオは注文をとりてきぱきと配膳をしていく。
「あっ。ルシオン先生。今帰りですか?」
「あぁ」
「いつものですね」
ルシオン先生はベジタリアンらしく塩をふったサラダとフルーツジュースを仕事帰りに食べて帰る。カウンターに皿がならびナオが皿を手にすると忙しいのがわかるのか先生は自らサラダとジュースを取りに来る。
「忙しいのもわかるが働くのもほどほどにしとけよ」
仕事が終わった時の先生は教壇でたっている時よりかなり若く見えるなぁ。
「はぁーい。メグさんと同じ事言っている。もうすぐお客さんは引きますから大丈夫ですよ」
この地区では店で酒をだす事を禁止しており夕食時が終わるとさぁっと客が引いていく。
先生ももくもくと食べて「ごちそうさま」っと言って帰っていく。
忙しい時間帯が終わり後片付けをしていると一人暗い顔した体格のいい中年の男性が入ってくる。
「ナオちゃん、またあの客きたよ」
3日に一度、閉店間際にこの店にコーヒーを飲みくる客である。メグさんと私をチラチラ見ながらため息を何度もついて何かいいたそうだけ言わずに帰っていく。
私的にはメグさん目当てではないかと思っている。メグさんは私の母親と同じ年で35歳だ。同じ年の人よりも若く見えて茶色のウェーブがかった髪と女性らしいラインで色気があるから全体にモテるはずだ。もしかしたら先生も。
眼鏡をキラッと光らせた先生の顔を想像する。
うん。ないな。
はぁ~。疲れたぁ。予習を少ししてから早く寝よ。
「ナオちゃん、夕食食べよう」
メグさんが夕食を準備していた。
「はぁーい。頂きます」
忙しいうちにナオの1日は終わっていく。