1限目
竜と人が共存する世界 リュージュ
それまでの世界は巨大獣が支配し、人は文明も作る事ができずに巨大獣に怯えなが過ごしていた。
ある日、この世界に竜と聖女が舞い降りた。
巨大獣は竜の賢さと力に怯え世界の端に逃げていった。
竜と聖女はこの地に定住し竜は人と同じ姿になり人々に知恵をあたえた。その知恵をもって人々は繁栄し、国を創ったとされている。
それは伝説
世界の中央にある聖なる竜が住んでいるとされる山を中心に国々は栄えている。
その国々の一つ大国ルーシェは竜舎を多く持ち国々では最高クラスの戦力と経済を誇る国である。ルーシェでは竜を扱う職業の専門の学校を開き、竜に関わる職業はこの学校を卒業しないとつけない決まりになっている。
「この事は前にいた学校で習った事だと思うが一応、質問を受けつける」
「はーい。ルシオン先生」
ルシオンは眼鏡をかけ黒髪をきっちりまとめあげて白いシャツにベストを着て黒いズボンを履き、一目見ただけで職業をいいあてられてしまうぐらい先生である。
「はい。ロッシーくん」
あまり成績のよくないロッシーが当たり前の馬鹿げた質問する。
「なぜ、今の竜は人にならずに人の言葉をしゃべれないですか?」
ルシオン先生は頭を抱えた。
「これはあくまで伝説と伝えてるはずだ。竜は賢いが人語をしゃべれる訳でわないし、巨大獣を退ける力を持つ竜もいるがそんな力のない竜もいる。あくまで伝説だ」
「なんだ伝説か、うちの父ちゃんが育ててる竜が人になって俺の嫁さんになってくれたらな~って思って。俺になついてて人間の女の子よりかわいいんだよ」
その言葉に教室内はどっと笑い声が響く。
「はぁ~。想像だけにしておけよ」
ルシオン先生は大きなため息をついた。
教室の片隅でナオ、ナオと呼びかける
「ロッシーってほんとにバカよね~。あれでこの学校卒業できるのかしら」
なんと返していいのかわからずにナオはははっと笑う。
「私はあんなとは絶対結婚しないわ。ここでいい男をゲットしてやるんだから。ナオもこの年が勝負よ。私と違ってナオは長い金髪で美人ではないけど茶色のボブでそこそこかわいいからいい男ゲットできるわよ」
エリーは金髪で目も大きく自分で言わなくても美人でクラスの中でも目を引く存在だが、エリーがそんな目的があるとはナオはびっくりした。
「エリー、私は竜舎に務めたいからそんなの求めてないよ」
ナオはぶんぶんと首を横にふる。
「えぇ。本気なの?辛い仕事だよ。」
辞めなよといいながらエリーはライバルがひとり消えたと嬉しそうにする。
ナオがこの学校にきたのは隣の国イルスで竜舎をしていた父があんなに大切にしていた竜になぜ殺されなければならなかったのかそれを調べる事ができたらと思ったからである。