魔の森の戦い~2日目~
2日目の朝が来た。今日8匹倒せば戦奴を飛び越し一般兵としてスタートダッシュできる。弟子の剣道女子白井佳子も一緒にとなるとあと17匹か。昨日のゴブリン程度ならいけそうだがほかの種類のモンスターがでていきたらどうなるか・・・。
ま、考えても仕方がない。副所長の陣幕に出頭した。
「戦奴諸君、おはよう。よく眠れたかね?試験は今日が最後だ。精一杯頑張ってもらいたい」
俺と白井は副所長に敬礼して、装備を整えた。すでに戦奴として帝国軍所属となったので制服が支給された。制服は正規兵も戦奴も違いはない。ただ身分と役割が違うだけだ。
ロベルトとグレンのエスコートコンビは今日も同行する。
「なんか雰囲気がかわったなあ」
グレンがそう言うと
「たしかに。2人脱落したのになんか仲良くなっていないかい?」
とロベルトがからかい半分で覗き込んできた。
「失礼な!何もない。ただ、私が浅田先生に弟子入りしただけだ」
「弟子入りー?」
2人は声をそろえがっかりしていた。
「もっと色っぽい話を期待したのに。つまらんなあ」
「なっ」
白井が顔を赤らめ動揺していたので
「そろそ行こうか。今日17匹以上狩る目標だから時間が惜しい」
と話題をそらした。
森に入りしばらく歩くとロベルトが話しかけてきた。
「なあ2人とも。魔物がうじゃうじゃいる場所に案内しようか?このままうろうろしていても17匹も遭遇できなかったら目標達成できないよ」
俺と白井は顔を見合わせて軽くうなずくと
「わかった。案内しててもらおう」
と快諾した。
俺たちは「ホットスポット」に向かった。
しかし、これが正に身の程知らずの選択だったことを後に思い知ることになる。