日本刀所持の誤解
「そろそろ眠らないと明日がつらくなるから切り上げるか」
「はい。先生」
俺たちはテントへ向かいながらたわいのない話をしていた。
「そういえば先生は日本刀を持っているのですか?」
「ああ、現代刀だけど持ってるよ」
「へーすごいですね。じゃあ免許お持ちなんですね」
「あー、やっぱりそう思うよね。みんな勘違いしてるんだよね」
白井は目をぱちくりしている。
「日本刀は殺傷力のある「美術品」だけど免許じゃあないんだよ。刀には必ず銃砲刀剣類登録証がついていて、その登録証を発行した教育員会に所有者変更のはがきをだすだけで終了だ。簡単だし、極端なことを言えば本人確認もないので子供でも持てるよ」
「へー。でもお高いんですよね?」
「ちゃんとした刀剣屋で買えば高いけどただ持ちたいだけならヤプオクで落とせばいい。古砥ぎやさびだらけのもの、疲れがでているもの、真贋不詳のものなどは安く買える。俺が剣術始めたころに15,000円で刀身のみのやつを手に入れたことがあるよ」
「あ、そんなに安いんですね」
「そう。だけどヤプオクに出てるものは店で出せない品質のものや鑑定書がついていても真贋不詳のものが出てるという話しだ。長船勝光銘の備前ものをヤプオクで4万円で落とした時には剣術の先生から偽物と言われてしまった。銘が入っていても偽物ということはよくあるらしい。まあ、割り切れば問題があっても刀としては本物だから初心者にはいいと思うよ」
「なるほど。勉強になりました」
「明日は出発前に装備を見直そう」
「はい先生」
「ではおやすみ」
「おやすみなさい」