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アインの評価

その後もアインと戦闘訓練を続けたが効く技と効かない技の評価、筋力やスタミナ、スピード不足など一朝一夕ではどうにもならない弱点も指摘された。アインから結構適格に分析されので「アグレッサー」と呼ばれる意味を理解した。


「それから俺たちワーウルフは鼻が弱点だな」

あっさりと自らの弱点をさらすが

「もっともそう簡単には触らせないがな」

と付け加えた。


「あとお前の攻撃は手数が少ないのとためらいを感じるので隙が多いな」

痛いところを指摘された。


「ああ、それは技の型の手数が多くないからその癖がついているのだと思う。ためらいは、まあ、確かにある」

剣術道場では型稽古が多かったのでどうしても連続した手数が少なくなる。そもそも人間相手なら致命傷を与えられるがここではそうはいかないようだ。


「なぜためらう、倒す相手に情けをかけているのか?」

アインは不思議そうな顔をしている。


「いや、俺のいた世界で戦いはほんどない。魔族はいないし生き物を殺すことはほとんどの人がしない」


「お前の世界では肉は食わないのか?」


「食べるが、牛や豚を殺して切り分けた肉が店で売っているから自分で殺す必要はないんだよ。子供の頃から命を大切にするように教育を受けているから生き物を殺すことに抵抗感がある」


「ずいぶんと腑抜けたところだなお前のいた世界は。他人が殺した肉を食べて命の尊さを語るか。偽善だな」

アインは不快な表情で続けた。


「ここの魔族は人間の教育を受けているから言葉も通じるし手加減もする。だが闘技大会に駆り出される魔族はそうじゃない。殺すまで終わらない」


「・・・」


「まあいい。俺の訓練はこれで終わりだ。次の相手から徐々に人型から離れるからさらに工夫することだな」


「ありがとうございました」

俺は一礼して訓練場を後にした。

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