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教導団

闘技大会終了まで教官として教えることを禁止されたため、俺は佳子と茜の稽古をつけながらブランクを取り戻そうとしていた。だが、この2人相手では効果的な練習は望めない。良くも悪くも素直な人間だ。魔族相手の練習にはならない。


「先生、やはり私たちでは役不足ですか?」


「んだよ。言いたいことがあるなら言えばいいたろ」


言葉は違えど2人とも心配してくれているようだ。


「今度の相手は魔族でしかも人型でも人間サイズでもないらしい。正直勝てるかどうか・・・」


「でも、Gトロールを倒したとうかがいました」


「いや、動きを止めただけだ。とどめはマリーがさした」


「そいうやあの女、あのクソバノン戦の途中から見かけねえな。やっぱあいつは胡散臭い」



「だれが胡散臭いって?」


声のした方向を見るとマリーが塀に腰掛け杖をなでていた。


「マリー、でめーどこにいってやがった!」

茜がかみつくがまったく意に介さず堀から飛び降り、俺に近づいてきた。


「もしかしてこうなることを見越していたのか?」


「正解!だから手を回してきたのよ。特別にアグレッサーの訓練を受けらるようにね」


「アグレッサー?」


「そ!アグレッサー!」


アグレッサー、つまり教導団だ。元の世界の軍隊では訓練の敵役を演じ戦闘機パイロットの育成を務めるエースパイロットの集まりだがこの世界ではどのような形になるのだろう。怪物の着ぐるみを着た人間が相手を務めるのか?あるいは・・・。


マリーの手引きで俺たちはとある小規模な闘技場に向かった。


その道すがら俺はマリーに疑問をぶつけた。

「なあマリー、君は一体何者なんだ?一介の魔導士かと思えば軍務大臣の姪だったし、今回のこともそうだ。ずいぶんと手回しが良すぎないか?」


「別に何者でもいいさね。少なくともあんたの敵じゃあないし。今は流れに乗っかっときな」


俺がなにかを言いかけるとマリーは俺の口を指でふさぎ

「いい男は細かい詮索しないものさ。これからもっと疑問が増えるだろうけど気にしなさんな」


「さて着いたよ。あんたはここで闘技大会までに魔族に通用する技を編み出さないといけないのさ」


到着した小さな闘技場の前に小男と身なりの良いオークとゴブリンが待っていた。

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