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ヤンキーvs剣術使い

「それでは浅田特任戦奴と木村2級戦奴の試合を行う。武器はこの竹刀を使う」

大尉が場を仕切る


「用意のいいこって。完全にわざとだな」

ここまで準備されているとあきれてものが言えない。木村は剣術家でも格闘家でもなさそうだ。ヤンキーが力まかせにぶんまわしてくるだけだろう。このゴンドラは天井が低い。なら胴斬り足斬り狙いだろう。


「てやぁー」

案の定木村は左わき腹めがけえ打ち込んできた。俺は剣術使いとしてしのぎで打ち落とすはずだった。が、左わきばらに食らってしまった。


「ぐはっ」

にぶい痛みが走る。


「おやおやたいしたことないじゃん♪」

木村は満面の笑みを浮かべた。


これは予想外に打ち込みが速い。そして重い。俺は免許皆伝でも達人でもない。ただ趣味で習っていただけだ。わかっていはいたが実戦経験の差を思い知らされた。だが、剣術は術である。やりようはいくらでもある。俺は再び正眼に構える。


木村はまたわき腹を狙って来た。技名は覚えていないが柄を上にし、脇に峰を密着させる直心影流の受けで攻撃をしのぎ、柄当てで木村の額を軽く小突いた。ここで思いっきり突けば終わりなのだがさすがに女の子の顔に怪我をさせるのは気が引ける。


木村は後ろによろめき顔を真っ赤にし、

「な、なめやがって」

と怒り心頭に突っかかってきた。


俺は木村の打ち込みをかわし、バラ手で目打ちをし、ひるんだ隙に片手持ちでくるぶしに打ち込んだ。


「痛っ」

木村は激痛で悶絶している。


「なあ、この辺で止めないか。これ以上はお互い怪我を負うかもしれない。本当の戦場はこれからだ。ここで仲間同士でやりあっても意味がない」


俺は大尉を見るが大尉は「続けろ」との合図を送るだけだった。


「てめー見てろよ」

そう言うと後ろに大きく下がり全力でこちらに走ってきた。腕を後ろに流すアニメの忍者走りで勢いをつけて全力で打ち込むつもりだ。


だが、アニメのようにはいかない。勢いを着け竹刀を横に大きく振り切るが周りで見物している兵士に当たり俺に届かない。俺はすかさず車(左肩が前で刀を右後方に構える)から彼女の脇を打ち込み、竹刀を首筋にあてスッと引いた。真剣なら頸動脈が切断され致命傷となる。


「君は動きに無駄が多い。あの忍者走りは最低だ。アニメの演出ではかっこよく見えるが乱戦状態の戦場では今のようになる。刀を抜いて走るなら肩に担ぐようにするのが正しい」


木村はふてくされ

「あーあ、もう白けちまった。止めだ止め。うんちくはうぜえがそこそこ強えな」。

 わかったよ。認めるよ!」


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