2人目の部下
3つのゴンドラに100名余りの兵士と装備を乗せた12匹の飛龍が離陸し、ダーウィン領に向かっていた。
「すげーなこれ!この展開興奮するわ!」
年甲斐もなく思わずうなってしまった。
白井は不安そうに俺の袖をずっとつかんでいる。
「大丈夫だ。心配するな。なんとかなるよ」
俺は白井の頭をなでてやった。
「そうでしょうか?なんか想像を超える展開でなにがなにやら」
周りを見渡すと飛龍707には30名ほどの兵士と装備、なぜか飛龍の子供?が数多く積まれていた。
飛龍の子供で何をする気だろうか?
陸路だとダーウィン領まで3日かかるらしいが飛龍だと5時間程度で着くらしい。選択の島からどうも休まる時間がない。
「浅田特任!こっちにこい!」
ビックス大尉に呼ばれ彼の元に向かった。
そこにはロングヘアのいかにもヤンキーな風貌の女が木刀を肩に担ぎ立っていた。
「紹介しよう、君の小隊に配属になる木村 茜君だ」
「木村だ。おめえ上官だからってなめたまねしたら承知しないからな」
いきなりのヤンキー節だった。
「まあ性格がちょっとあれだが腕は確かだ。白井君と両手に華だな。ハハハハハッ」
「ビックスの旦那、こいつは本当にあたいより強いのかい?強そうに見えないけどねえ」
そう言いながら俺にガンをつけてきた。
「先生に失礼なことを言うな。チンピラめ!」
白井が割って入る。
「何だてめー?やんのかてめー」
「チンピラめ、礼儀を教えて!」
「やめんか2人とも!」
ビックスが二人を怒鳴りつけた。
「まったく。ダーウィンの同胞が助けを待っているというのに・・・。
仕方がない浅田特任、木村君に稽古をつけてあげたまえ」
「えっここで?」
「そうだ。口で言ってわからんものには体験させるのが一番だ」
ビッグスはこの展開を望んでいたかのようににんまりとした。
こうして俺は空の上で部下になるヤンキー女と戦うはめになった。




