ステーキ屋にて
「いらっしゃい!こちらの席へぞうぞ」
ステーキ屋に入ると愛想のよい少しかっぷくの良いウエイトレスが席に案内してくれた。
「あら、この町では見かけない特任戦奴さんね。どこから?」
「いや、実は招待所上がりたてでこれから赴任するんですよ」
「あらやだ、じゃあスタートが特任ってこと?ちょっとあんたこっち来てよ!」
厨房にいる店主を手招きでこちらに呼び寄せた。
店主はがっしりとした体格で顔から腕から傷だらけだった。
「なんだ騒々しい」
「ねえ、この人見てよ。招待所卒業即特任戦奴だってさ」
俺の階級章を指さしなが店主に説明した。
「これはこれは、はじめまして、元帝国1級戦奴の松田です。今は自由市民としてステーキ屋を営んでおります。以後ごひいきに」
「浅田と申します。よろしくお願いします」
「で、特任さんが今日はどんな御用で」
「いやステーキを食べに来たんだけど。おすすめは何ですか?」
「ああ、そっちですか。今日のおすすめは松坂牛によく似たオーク牛のステーキです」
「ではそれをお願いします。焼き方はミデアムで」
「ご注文ありがとうございます。ご用意いたします」
そう言うと店主は厨房に引き上げた。
ウエイトレスは当てがはずでたような顔をして仕事に戻っていった。
ステーキ屋にステーキを食べに来てほかになにがあるのだろう?
少し違和感を感じたがオーク牛のうまさにその違和感はすっかり忘れえしまった。
これは確かに松坂牛に近いようなきがしないでもない。松坂かどうかはちょっと自信はないが霜降りのA5ランクの和牛のような味わいは確かである。口の中で霜降りの脂が解け甘味を引き出してる。
俺は久々の和牛に舌鼓を打ち満足してた。会計のときに店主を呼んでおいしかったと礼を言い、ついでに
「この居住区で戦奴が集まる店はどこかないかい?階級はついてるけど戦奴として新米なので情報が欲しい」
と話した。
店主は大通りを指さし
「居酒屋よっちゃん」と国営の「戦奴専用装備専門店」に行けば誰かしらいると教えてもらった。
俺は装備専門店に向かった。
「ありがとうございました!」
店主とウエイトレスが見送ると
「今度はちゃんとうちの本当の商品を買いに来るんだよ」
とつぶやいた。




