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ホットスポット

「もうすぐホットスポットだ。ちゃんとついてきてるか?」

ロベルトが振り返ると3人は遅れ気味についてきていた。


ロベルトの話ではこの森の地下に魔物が湧き出す転送装置のようなものがあり、そこからゴブリンやオークが出てくるのだとか。地上まで上がってくるのに時間がかかるからいい塩梅に戦奴の選抜試験に使われているそうだ。すり鉢状の竪穴に螺旋階段があり地下まで降りていけるが陽光も降り注ぎ暗闇で視界不良になることもない。


「さあついたぞ。ここから地上に出てくる魔物を仕留め続ければ20匹くらいいけるだろう」


しかしすり鉢状の竪穴の地下を見ても螺旋階段を見ても魔物は見当たらない。

俺はなにか嫌な予感がしてならない。なにか見落としているような気がする。


「先生、どうしました?」


「白井、ここはやばいかもしれな。すぐにこの場を離れたほうがいい」


「先生、なにを・・・」

そう言いかけたところ茂みが大きく光り、魔物がわらわらと湧き出してきた。


「どうしてジェネレーターが地上に?」

ロベルトは驚愕し、周囲を見渡すとすでに取り囲まれていた。


ジェネレーターが地上に持ち出されているということは・・・。


「地下に逃げよう!」

「白井が先に行け!恐らく地下に魔物はいないはずだ。俺がしんがり殿をやる」


「はい!」


地下に降りる螺旋階段は幅が広くないのでここならどんだけ敵が多くても1対1に持ち込める。


「いいか、斬りあおうとするな!突け!または足を斬れ!」


「はい先生!」


まずはオークか。

追いかけてきた最初の魔物はオークだった。幸いにも甲冑はつけていない。


先手必勝!俺は有無を言わさずくるぶしを狙った。足斬りでもくるぶし狙いはなり有効だ。斬れなくてもここを打たれれば立つことができない。オークは悲鳴とともにバランスを崩し穴に落ちていた。30m以上ありそうなあて穴だ。まず助からないだろう。


「まず1匹」


間髪入れずゴブリンがジャンプして襲い掛かってきた。


刀を突き立てればそれでおしまいだが身が締まり刀が抜けなくなるとかなりやばい。俺は一瞬躊躇し、顔面に柄当てを食らわし穴に落とした。柄当てもかなり有効な技だ。


「これで2匹」


そうだ。数を相手にするのに刀の状態を考えなくてはならない。1対1でも数をこなすと刀も切れ味が落ち傷んでくる。何匹倒せば落ち着くのかがわからない状態だ。


しばらくゴブリンとオークの攻撃が続いた。こちらが下に降りている状況なので敵が上でこちらが下の構図となる。この場合こちらがベルトラインから下になりやすいので敵の攻撃の威力が弱まるため攻撃を受けても深手を受けにくい。振り下ろし切った腕をなで斬りひるんだところを足斬りで落とす。対処がパターン化してきているのでなんとか対処できている。

地形も有利に働いている。魔物の攻撃は螺旋階段の形状から上か左からしか攻撃できない。下からの切り上げはこちらに届かない。右からの攻撃が無い分軌道も読みやすい。


ロベルトとグレンはどうしただろうか?無事逃げられたのだろうか?逃げてくれれば助けを呼んでくれるだろうか?


後ろを振りかえると白井が心配そうにこちらを見ている。


「大丈夫だから下を警戒してくれ」


15匹から先は疲労から数を正確に数えられていないが恐らく20~22,3匹は倒しただろう。しばらく前から魔物の襲撃が収まったいる。


「白井、ひと段落ちいたようだ!上に上がるぞ」

俺は声をかけると螺旋階段を上り始めた。

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