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「悪者」の誕生

あ。

序章 能力を持つ者たち


 この世界には、能力を持つ者たちが存在する。

 とすると、もちろんその使い様は人によって異なり、自分のためや、悪のために使うものが現れるわけだ。

 悪が現れる……ということはもちろん、それを制し平和を守ろうとするものが現れる。人はそんな彼らをヒーローと呼び、褒め称える。

 この世界は実に単純だ。単純に含まれる複雑なことすらも、単純だ。

 突き詰めればすべて同じ。人は簡単に食いつき、一度離れたらもう戻ることはない。いくら複雑な事情があろうと、結果は単純になる。

 この世界は優しくない。少なくとも、彼らにはふさわしくない世界だったんだ。

「ごめんよごめんよ~」

 彼らの人生を狂わせてしまったことについて、謝罪した。


第一章「悪者」の誕生


 目が覚めた時、俺は今まで感じたことのないものを感じた。

 浮遊感、そして自分の存在が薄れていくような感じ……この二つを踏まえて、俺はまだ夢の中にいるんだなと思った。

 ……。いや違うな。どう見てもここは俺の部屋だ。この質素な感じ、そして友達と撮った写真がいくつか机の上に無造作に置いてある。

 やはり現実か?だとしたらこの浮遊感は何だ?

 そしてふと気になって、俺は時間を確認した。

 って、もう十時じゃないか!なんでこんな時間になるまで寝てたんだ俺は!?というか、こんなに寝ていたらさすがに親が起こしてくるんじゃないか?

 俺は慌ててベッドから起き上がった。

 フワッ。

 軽かった。身体が異常なほどに軽かった。まずベッドに横になってすらいなかった。浮いていた。そして、今更自分の手が薄れているのに気が付いた。

「……なんだこれ!?」

 気のせいか、自分の声もこもっているように聞こえる。

 どう考えてもおかしい。これは異常事態だ。誰かに助けを求めなければ。

 急な出来事に一人では対処しきれないため、俺はまず一階におりて親に会うことにした。

 ふわふわと浮いたままドアに近づき、ドアノブをつかもうとした瞬間……

 スカッ。

 貫通した。いや、貫通したというよりは、通り抜けた、というほうが正しいのかもしれない。

 もしや……と思いドアに寄りかかろうとすると、案の定通り抜けてしまった。

 何なんだよこれ……浮くことができて貫通するだと?俺の身にいったい何が起きているんだ……?

 不可思議なことが立て続けに起こったことにより、俺は混乱していた。ただ、誰かに助けを求めたかった。

「母さん、母さん!」

 階段すらも通り抜けて、俺は一階のキッチンに着いた。そこでは、親が洗い物をしている。

 俺があれほど叫んでいたのに気が付かないなんて……。

 一瞬唖然としていたが、俺はすぐ親に声をかけた。

「母さん!助けてくれ、俺の身体が!」

 しかし、いくら叫んでも親は振り向かない。まるで聞こえていないかのように、洗い物を続けている。

「母さん、聞いてるのか!?」

 さすがに違和感を覚えた。

 俺は親の目の前に移動すると、手を振ってみた。だが、気が付く様子は一向にない。

 もしかして、俺は死んだのか?これは死後の世界なのか?

 そう思ったが、その考えは一瞬にして否定された。

 死んだとしても、俺の存在自体が消えることなんてありえない。もし死んでいるのだとしたら、親はこんなのんきに洗い物なんてしていないだろう。

 ということは、考えられることは一つ。

「浮けることと通り抜けられること以外に、透明になれる……?」

 普通あり得ないことだが、しかし今の俺には普通なんてものは存在しないも同然だ。こんな異常事態を前にしたら、何が本当なのかもわからない。

 透明になっているのか……どうにかして戻れるなら戻りたい。

 その時、俺はもう一つの感覚があることに気が付いた。

 言葉では言い表せないようなものなのだが、分かりやすく言えばスイッチだ。

 透明浮遊通り抜け。これらすべてを一度にオフにすることができる、そんな感じがした。まるで本能のように、脳に染みついている。

「……」

 俺は目をつぶり、脳内のスイッチをカチッと押してオフにした。

 その瞬間、俺の身体に重みが戻り、薄れるような存在感も元に戻ってきた。

 ガッシャーン。俺がいた位置が悪かったせいで、洗い物の中に体を突っ込んでしまった。

「拓!?こんなところで何してるの!?」

 俺が元に戻った瞬間、親はまるで初めてそこにいるのに気が付いたように俺を見て叫んだ。

「もう学校の時間でしょ?早くいきなさい!」

「わかった、行ってくる」

 俺は混乱していたが、学校用の鞄をぶら下げ、家を出て学校への道を小走りで進んだ。

 俺は高校一年生で、近くの高校に通っている。だからここから十分程度で着く。

 時間に遅れていることの焦りは多少あったが、今はそれよりも、安堵と好奇心が勝っていた。

 まるでゴーストだ。

 俺はこの能力を制御できることを知って、無性にうれしくなった。これからこの能力で何をしようかなと考えながら、学校に向かっていった。


「……さすがに遅刻はまずいな」

 何の理由もなく遅刻すると、先生たちが面倒くさいことを言ってくる。どうにかしてそれは避けたい。

 ……ここで、能力の出番だ。

 俺は目をつぶり、脳内のスイッチをオンにする。その瞬間、俺の身体から重みがなくなり、体が薄れる。

 今気が付いたのだが、どうやら俺の所持物などは同じく透明化してくれるらしい。便利だ。

「最初は怖かったけど、制御できるようになると最高な気分だな」

 空を浮いている。どう移動しているのかは自分でもよくわからない。もうほとんど感覚の世界だ。

 ふわふわと浮遊しながら、俺は自分の教室へと向かった。すでに授業は始まっていたようだ。

 窓から教室に入り込み、自分の席に移動した。

 そして自分の位置を調整して椅子に座る体制をとると、脳内でスイッチをオフにした。

 その瞬間、俺の身体に重みが戻り、実体を持つ。

 俺は周りにはどう見えたのか気になって見渡してみだが、だれも俺が急に現れたことに気が付く様子はない。

 しかしそれは最初だけで、時間がたつにつれてみんな俺を見てきた。

 遅刻だと思っていた先生は驚いた様子で、

「花崎君、いつの間に来ていたんですか!?」

 と言った。

 その声でほかの生徒たちも俺のことに気づき、教室は騒がしくなった。

 俺はなんといえばいいのかわからなかったので黙っていたら、自然と静かになりまた授業を再開した。

 まだ不思議に思っているのだろうが、しかしあまりにも違和感がなかったため困惑していて冷静な判断ができていないのだろう。

 俺は少し楽しくなった。


 授業が終わると、俺と仲のいいグループが集まってきた。男二人女二人、計四人のグループだ。ノリのいい奴らで、よくこの四人で出かけたりする。

 男子軍は、髪は普通の長さでリーダー感のある(とよく言われる)俺(花崎(はなさき)(たく))と髪が短く騒がしいムードメーカー(とよく言われる)楽((いけ)田楽(だらく))がいる。

 女子軍は、長い髪をそのままおろしているおしとやかな愛理(()(つき)(あい)())とショートヘアでボーイッシュな玲(小枝(こえだ)(れい))がいる。

 楽は最近玲と良いムードであり、それに感化された俺と愛理も、少しずつ関係が深まっている。まだどちらも付き合ってはいないが。

「お前いつの間に来てたんだ?まったく気づかんかったぜ」

 本当に謎そうに聞いてくる楽。

「存在薄いからねーたっくんは」

 すこしあきれたように楽しそうに言う愛理。

「存在薄いっていうか、無だったよ」

 本気であきれた様子で俺を見る玲。

「いやまあ、さすがに無断遅刻はまずいかと思ってこっそり教室に入って……」

「まじ!?お前そればれたらヤバいぞー?」

 ハハハと笑いながら言ってくる。

「まあまあ、それはともかく、明日だろ?京都行くのって」

 俺は話題をそらすために別の話を持ってきた。

「おーそうだそうだ。ばっちり計画は立ててきたからなー!」

 そう言って楽は鞄から何枚かプリントを出した。

「楽しみだねー!」

 愛理がワクワクした様子で言う。

「……うん」

 玲は少し顔を赤らめた様子で小さくうなずいた。楽と二人きりになるチャンスでも狙っているのだろうか。ここは少しおだててやろう。

 俺は玲のすぐそばによると、周りには聞こえない声でこう言った。

(楽とつながるチャンスじゃねぇ~?ここはもうやるしかないだろ)

 そういうと、玲は思い切り顔を赤くして、

(ち、違うし!別にそういうわけじゃなくてっ……!!)

 と必死になって言い訳を言おうとしているが良いのが見つからないのか、つまずいている。ここでさらに追い打ちをかけるのが花崎スタイル。

(ん?違うの?じゃあなになに)

(~~~~~っ!)

 バシッ!

「いった!うぇぇ!?」

 思い切り叩かれた。こいつは運動が得意で力があるため、普通に殴られただけでも次の日腫れる。

 その音に驚いた愛理と楽がこっちを見て楽は俺を、俺は楽を、愛理は俺を、玲は楽を見た。

(おい、玲とイチャイチャすんなてめぇ)

(いや悪かったって、でも誤解だよ誤解)

 一方女子軍は。

(たっくんは女たらし……)

(やばい、楽に誤解されたかも……どうしよどうしよどうしよ……あ、拓を殺そう)

 会話すら成り立っていなかった。そして何故か背中がゾクッとした。

「さ、さてーじゃあ楽、計画を教えてくれー」

 気まずさをごまかすように、楽に旅行の説明を促す。

 楽はまだ俺に疑いの目を向けていたが、まあいいだろという風に肩をすくめると、説明を始めた。

「まず最初に行く場所はだな……」

 俺たちは京都に旅行に行く。だがそれは修学旅行などの行事とは違い、俺たち独断で決めたただの旅行だ。

 俺がどこか旅行に行きたいといったときに、みんな京都に行きたがっていたため、そこに行くことにしたのだ。

「……と、まあこんな感じだ。どうだ拓?」

「ん、おお、いいじゃねえか。十分楽しめそうだ」

「だろー?」

 ニコニコと笑いながら言う。

 そして授業開始のチャイムが鳴り、俺たちは席に着いた。


 先生の退屈な授業が時間を遅くする。普段ならそうだが、俺は今それどころじゃなかった。自分の手に入れた能力をどう使おうか、必死に考えていた。

 まずここで消えたらどうなるのだろう。ちょうど小腹もすいたことだし、透明になるついでに何か買ってこよう。

 脳内のスイッチをオンにする。ふわふわと学校を抜け出し、外に出る。

「おおー!開放感があるなぁ。学校を早退したときとかに感じるのとおんなじだ」

 世界に一人だけになったようで、自分が特別になったような気分がする。

 普段とは打って変わってとても静かで、それが穏やかさを引き立てている。季節が春ということもあって、温かく心地の良い風が吹いている……のは木が揺れるときの音でわかるのだが……この状態ではその風を感じることはできない。

「こういうのも通り抜けちゃうか……まあ、しょうがないよね」

 元に戻ろうか迷ったが、この状態であれば浮遊できるので、せっかくだからこのまま浮かんで散歩することにした。コンビニで買うときにオフにすればいいだろう。

 高いところから見る景色は、いつもと同じ道でも景色は全く違って見えた。世界が広がる……という感覚を初めて実感したような気がした。

「やっぱりこの時間帯に外にいる人はなかなかいないよな。今外にいる人たちはどんな生活をしてるんだろう」

 まあ、自分には関係のないことだから、特に深く考えることなく、そこら中をブラブラ……いや、フワフワしていた。

 自分の住んでいる住宅地の奥に、商店街がある。そこもやはり人は少ないが、それでもほかの場所に比べたらかなり多いほうだろう。

いつもは騒がしい場所が静かになると、ふと寂しさを感じる。

俺はもうこの能力を思い切り楽しんでいた。せっかく能力が与えられたんだから、有効活用しようと決めたのだ。

「……ん?」

その時、ふととある人間に目が行った。

少し長い前髪で目元を隠している、背の高い青年だ。

別に見た目がおかしかったわけではない。むしろ普通だ。だが、その内側にある何かに、俺は引き寄せられているような気がした。まるで自分と同じような、そんな気が。

「あ、あれ……消えた?」

 瞬きをした瞬間、さっきの青年の姿は消えていた。あたりを見回しても、彼の姿は見当たらない。

「何だったんだ……」

 何か引っかかる。しかし、いくら考えようともその原因はわからずじまいだったため、俺はそれ以上考えることをやめて、早く食べ物を買って戻ろうと思った。

 すぐ下にコンビニがあったのでそこで何か軽い物を買おうと思った。

「あ、やばい……財布忘れちまったか」

 透明なら盗んでもばれないだろうが、しかしそんなことはしたくないのであきらめて帰ることにした。

 結局何も買わず、あまり時間をつぶすこともせず帰ってきたわけだが、それでも俺は満足していた。それにあまり授業をサボりすぎると自分が追いつけなくなるから、これくらいがちょうどよいのだろう。

 誰も俺が突然いなくなったことにも、突然現れたことにも気が付いていなかった。

(透明になってるときは存在が薄まるのかな?俺のかあさんも朝俺のことを忘れてるみたいだったけど、元に戻ったらすぐに気が付いたし)

 まだこの能力のすべてをわかったわけではないので、今後色々見つけていきたいと思った。

 いつも通りの退屈な授業が終わった。帰りのホームルームも終わり、今日は部活もないため帰るだけだ。その時、楽が俺に近づいてきた。

「なあ、今日この後俺らと愛理と玲でどっか遊びに行かねえ?ちょっと買いたいものあってさ~」

 遊びか……まあ、帰ってから特にやることもないしいいか。

「いいよ。どこ行く?」

 そういうと楽は指を立てて小さな声で俺に囁いてきた。

「いや、ぶっちゃけ場所はどこでもいいんだ。今日はさ、二人に分かれて別々に行動しねえか?」

「ってことは、お前は玲と一緒にどっか行きたいってことか?」

 そう言うと、楽はバレたか……と笑って、

「そうそう、みんなでどっかに言って別々で行動するなら、簡単にいくんだけどよ。二人だけでどこかに行くとなると、難しいだろ?だから俺は玲と、お前は愛理と別々で遊ぼうぜ?」

 やはりそういう魂胆か。まあ俺としても愛理と二人で出かけたいっていう願望はあったから、都合がいい。

「その話、乗った」

「そう言うと思ったぜ~。じゃ、協力頼むぞ」

 そうして二人同時にニヤッと笑った。


「ええ?ペアで別行動?」

 愛理と玲が驚いた表情をする。

「そうそう、このくじ引きでペアを決めてさ、それで商店街を巡ろうと思って」

 楽は予想通りの反応に、計画を実行するための種をまく。

 くじ引き……と言ってはいるが、これはもちろんタネ付きだ。

 割りばしに書いた〇と◇の二つがあるのだが、わざと形をいびつにしてどちらとも言えなくしている。そのため、俺たちの都合によって結果は変えられるのだ。

 なんとも完璧な作戦。

「じゃあ引こう。誰から引く?」

「んじゃ、俺から行くわ~。いいの来いっ!」

「良いのって……どれ出しても結果変わらないでしょ」

 玲があきれた声でつっこむ。その声には緊張している雰囲気が漂っていて、俺はあることを察した。

「じゃー次は俺引くな。いいの来い!」

「もーたっくんまで~?」

 愛理が面白そうに笑う。

 俺が〇で楽が◇ということにしている。女子二人が引いたら玲が引いたものを◇と、愛理が引いたものを〇とする。

 女子二人が引いたので、俺と楽が結果を言う。

「お、俺は◇だな~。拓は?」

「俺は〇だった。お前らはどうだ?」

 俺がそう聞くと、二人は困った表情をした。

「これって……どっちがどっちかわかんだけど、これは〇?」

 愛理が近づいて聞いてきた。

 ここで俺が答えてしまうと怪しまれるかもしれないので、回答を楽に回す。

「ん~どうだったかな……これ書いたの楽だからわかんねえや。楽~、これってどっち?」

「ん?ああ、これは〇だな。たしかその割りばしは先が欠けてたから」

 特徴を言うことによる、騙しトリック。これは理屈やら何やらを気にせず、説得力を出すことができる。こんなことを言われたら、疑いようがないだろう。

「お、愛理とペアか。んじゃよろしくな」

「たっくんとペア?やったー!」

「お、おお……」

 そこまで素直に喜ばれるとは思っていなかったので、俺は困惑してしまう。

 愛理の視線から逃げるために、俺は楽と玲のほうを見た。

「玲かー。あーあー玲か~」

 楽はいかにもわざとらしく嫌がっている。嘘なのは玲も百も承知なのだろうが、それでも多少のショックは隠しきれないようだ。

「なんだよ、別にいいじゃんかあたしでも!そんなに嫌なら帰れ!」

「痛っ痛っ!ウソだって冗談だって!嫌なわけないだろ!」

 バシバシと弁慶の泣き所を蹴られながら楽は叫ぶ。

「あの二人仲いいねー」

 愛理が和んだ目でこちらを見てきた。

「そうだなー。……平和じゃないけどな」

「た、確かに」

 いつか楽がドmになりそうで怖い。

「それじゃ、行きますか」

 ある程度落ち着いたところで、俺がまとめる。

 その時、玲が俺に質問してきた。

「行くっていうけど……ペアに分かれたところで、何すればいいの?」

 ふっ、そう来ることは分かっている。だからすでに俺と楽で返し方は考え済みだ。

「いや特に決めてないよ?でもせっかくお前らお似合いさんがくっついたんだから、デートでもしてくれば?」

「なっ……!デートじゃないし!」

 玲が顔を真っ赤にして言う。

「いいね。じゃあデートに行こうぜ玲」

「お、お前までッ!!う……うん……」

 楽に手を握られ、玲は顔を真っ赤にしてうつむきながらうなずいた。

 そのまま楽にリードされて商店街の中へと消えていった。愛理はあわわわぁと顔を覆いながら二人を見送っていた。

 ……せっかくだから俺もリードしますか。

「じゃ、俺たちもデート行こうぜ」

「へっ!?う、うん……!」

 ギュッと愛理から俺の手を握ってきた。

「!?!?」

 あまりの不意打ちに心臓が飛び出るかと思った。余裕の態度で行くつもりが、そんな余裕など一瞬で吹き飛んでしまった。

「ど、どこ行く?!」

「そ、そうだな!じゃあ、ゲーセンでも行くか!」

「う、うん!そうしよう!」

 二人ともカチコチになりながら、ゲームセンターに向かって歩き出した。

 楽……やっぱお前すげえよ。

次は一章の4から

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