淡風
そういえばみかは愛しの"いっくん"とどうなった？
中学の時純愛すぎて見てるこっちがムズムズするぐらいだったよなー。
高校生になってから色々解禁したのか？
じゅんちゃんがあっと顔を悪くした。
えへへ、んー微妙なのかなー？
連絡があまりこなくて…
中学卒業以来会ってなくて
進学校だから忙しいと思う。
疑ったりとかしてないんだけどね
私達大丈夫かなとか
…不安な気持ちが止まらない。
笑って話さないと…だけど目から大粒の涙が溢れてくる。
誰かに言ってしまえばそれを認めてしまうみたいで…
我慢をたくさんしてたと思う。
会えないから、連絡がこないから悲しいとかじゃない。
この気持ちが迷子になってしまってるのがとても辛かった。
じゅんちゃんがぎゅっと抱きしめてくれる。
けいくんが頭を撫でてくれる。
何も言わずに慰めてくれる。
私はとても恵まれているんだね。
泣き止むまで二人は私を見守ってくれた。
聞いてごめんな…
確かにすれ違うよな
電車通学のやつもいれば自転車で通うやつもいる。
俺らでさえ連絡取らないと時間とか合わないし。
私の方こそ泣いてごめんなさい。
高校生になってからバイトも始めて、連絡返せなくなった私が悪いの。
なかなか向き合えなくてちょっと辛かったんだよね。
二人とも聞いてくれてありがとう。
泣いてちょっとスッキリした。
いや、俺が泣きたい！！
どうしよう。涙がー！！！
私も泣きそう。
いっくん絞めたい…
私のために言ってくれるからもう笑顔しかならないね。
二人ともありがとう。
カタっと隣の席に誰かが座る。
けいくんと同じ学校の制服だ。
あーかずき、なんでここにいるんだよ？
家こっちじゃないだろ？
…この駅周辺買い物するのに最適だから友達と一緒にきてるんだ。
今日部活早上がりだったし。
じゅんちゃん、みか、こいつ同じ部活のかずきて言うんだ。
俺よりサッカー上手なんだよなー。
チラッとこっちを君が見た。
私とじゅんちゃんはペコっと頭を下げる。
さっきたくさん泣いたからきっと私はひどい顔をしていたと思う。
目腫れてないかな…
見られたくなくて君がいる時はずっと下を向いていた。
そういえばさー2人が好きって言ってキャラクターショップが期間限定でそこの建物に入ってるよ？
じゅんちゃんと私は一瞬で目を輝かせ
行きたい！！行きたい！！
なんでもっと早く教えてくれないの？
ほわーと癒されるよね。
私小さい時から大好きなんだー。
じゃあ店でようか。
かずきまた学校でなー。
…うん。
じゅんちゃんと私はペコっと頭を下げてお店を後にした。
けいに友達がいてよかったねー。
あんなに寂しく語ってたから教室に人でいるのかと思った。
俺が今まで1人でいるところを見たことあるのか？
ないねー。何気に友達多いよね。
当たり障りなく、人類みんな友達だと思ってるからな！！
そんな風に言えるけいくんはやっぱりすごいね。
私達は大好きなキャラクターショップに行き長い時間悩んでお揃いのペンを買った。
これ女用じゃん！！俺持てない！！
この可愛さが、わからないと女の子にモテないと思うよ。
じゅんちゃんは厳しいねー。
私このペン大事に使う。
ちょっとほっこりした1日。
みかってどこでバイトしてる？
この駅からちょっと歩いたところにあるカフェだよ。
カフェで働くのちょっと憧れてたんだ。
今度行ってもいい？
恥ずかしいからやだ！！
じゅんちゃんもまだ来たことないから。
本当に？
…うん。(心配で外から覗いたとか言えない)
もっと上手に仕事ができるようになったら来ていいよ。
そんな日が来るのかなー
遠い目をする2人…
えーひどいよ2人とも！！
そんな他愛のない会話をしながら私達は帰った。
