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七十五

 牢に囚われた私の前に姿を見せたのは三人。一人は無精髭を生やし軽装鎧を身に纏う、冒険者風の男。そして問題なのは後の二人だ。


「コイツで良いんだろ?」

「ええ、間違いないわ。お礼の品は上に置いてあるから持っていって」

「んだよ。つれねぇなぁ……。夜はこれからなんだゼ? どうせなら、コイツも加えて四人で楽しもうや」

「余計な事は考えないでね。女を抱きたければ、与えた金で娼婦でも抱きなさい」

「チッ、お高くとまりやがって……」


 ガチャリガチャリ。と音を立て、男はその場から去って行った。


「どうして……何でこんな事をするんですかっ!? ローザ先輩っ! マリー先輩っ!」


 私の叫びに二人は顔を見合わせる。


「そんなの決まってるじゃなぁい。カナちゃんがぁ、持ち込んだ素材の出所を聞く為だよぉ」


 マリー先輩が人を茶化す様に間延びさせて言った。素材って……前に持ち込んだ金鉱の事!?


「さて、それじゃ。教えて貰おうかな。貴女が持ち込んだランクSの金鉱……。何処で手に入れたの?」

「何処って……な、南東にある森の中よ……」

「南東の森……? ってアソコは死の森じゃないのぉ。マリー嫌だよぅ、あんな気味の悪い所に行くなんてぇ」


 マリー先輩は言葉を間延びさせながら、ローザ先輩に言い立てる。


「マリー、ちょっと黙ってて。アユザワさん、ウソはいけないわね」


「ちっ、違っ! ウソなんかじゃ……あぐっ!」


 両腕と両足に嵌められた金属製の輪っかから、強烈な電撃が全身に走る。それは僅かな間だったけど、膝から崩れ落ちるのに十分な時間だった。


「奴隷用の拘束具よ。威力は味わった通り……ねぇ、アユザワさん。アソコは屈強な冒険者でも立ち入らない森なのよ? 冒険者でもなんでもないあんたが生きて戻って来れる訳無いじゃない」


 バレている……


「さあっ、とっとと白状しなさいっ。こっちだって暇じゃぁないんだからっ!」

「うぐぅっ!」


 ローザ先輩のつま先が、全身が痺れて身動きの取れないわき腹に食い込み、内側からミシリ。と音が聞こえた。


「ウソ……じゃ……ないわ。死の森に棲む魔物の――ち。それが、アレの正体よ……」

「フン。しらじらしいわ……ねっ」


 さっきよりも強烈な電撃が、私の身体を貫く。


「あが、が、が……」


 (まぶた)は限界まで開ききり、口からは舌が逃げ出そうとしているかの様に飛び出ていた。


「だっ、ダメだよローザっ! これ以上やったら死んじゃうっ!」

「五月蝿いっ! そもそもアンタが『遠視の呪い』をちゃんと掛けていれば、こんな事をしなくても済んだのよっ!」


 え……『遠視の呪い』……? じ、じゃあ……この二人が私の部屋に空き巣に入った……のか……


 そこで私の意識は闇に包まれた――

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