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六十七

「お姉様には何か特別な力を感じるのです」


 リリーカさんの言葉に、驚いて心臓が高鳴る。もしも、私のこの豊満な(・・・)胸が筒だったのなら、心臓を遥か遠くに打ち出していたに違いない。


「な、無いよ。そんな力なんて……」


 外側は平静を保てていたと思う。だけど、内側は表現出来ない程に大慌てだった。


「いいえ。お姉様はご自身でお気付きになられていないだけですわ。だって、(わたくし)のカンがそう言っておりますもの」


 カン、ねぇ……。女のカンって、時折神懸(かみが)かるからなぁ……


「『この者との関わりを断つ事なかれ』。お父様とお母様から受け継いだ冒険者としてのカンがそう囁くのです」

「冒険者のカン……」

「はい」


 オジサマから聞かされた冒険者。という職業についての話が蘇る。ベテランと呼ばれる冒険者は、五感から得る情報だけで無く、カン。つまりは、第六感とも云えるモノを最大限に働かせているのだという。それによって、絶体絶命のピンチに一筋の光明を見出す事も出来るのだそうだ。


 元冒険者で、街を救った英雄の血を引く者のカン……か。


「でしたら、お姉様には異論がお有りとお思いますが、(わたくし)がお姉様を買いますわ」


 ただのカンでそこまで……。だったら、私はどうすれば良いのだろう? 甘んじて受け入れる? それとも、私を奴隷に様に扱うな。と跳ね除ける? ……そんな考えも今更よね。答えは初めから決まっていた。


 私はリリーカさんを前にして片膝を付き、(こうべ)を垂れる。


「私如きに過分な評価を頂き大変恐縮で御座います。この不肖カナ=アユザワ、全身全霊を以ってリリーカお嬢様に報います」


 クスリ。深々と下げた頭に向かって、リリーカさんの含み笑いが浴びせられる。


「そんなに堅苦しくなくて宜しいですわお姉様。いつも通りで構いません。……でも、まるで騎士みたいで素敵でした。その調子で恋人役の方もお願いしますわ」


 差し伸べられた手を取って顔を上げるとそこには、向日葵の様な笑顔がすぐ側にあった――

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