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恋する埴輪  作者: momo
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部活と埴輪



 今日も弥代は、結局彼氏に何も聞けなかった。

 帰りのHRが終わり、ぼんやりしながら荷物をまとめていると、埴輪が近づいてきた。


「弥代。今日部活は?」


 違った。彼氏だった。

 埴輪のくせに、どうやって声帯を震わせているんだろう。素焼きの土器なのに。

 考証している場合じゃない。質問にはきちんと答えないと。


「今日は休み。だからもう帰ろうかと思って」


「それだったら、オレんとこ見学に来いよ。今日先輩も先生もいないから、気楽なんだ」


 それはたまにある誘いだった。今までだったらうなずいていたのだが……。


 埴輪のくせに剣道なんてやって大丈夫なのか。

 顔だけじゃなくて全身が埴輪なのだ。土器なのだ。素焼きなのだ。

 竹刀で叩かれたら、割れてぱらぱらこぼれてしまうんじゃないだろうか。

 体当たりはかなりの勢いがあるみたいだし、ぶつかって転んだら身体が真っ二つになるんじゃないだろうか。


 駄目だ。

 気になって絶対見学どころじゃなくなる。


 適当に理由を付けて断った。

 今日はさっさと家に帰るのだ。


 ちなみに、欠けちゃうんじゃないかとか割れちゃうんじゃないかという弥代の心配はあまり本気のものではない。


 埴輪になってから彼氏は何回か部活に出ているが、今のところどこも欠損してはいないようだ。だから多分大丈夫なのだと知っていたのだ。ただ、実際に目の前で竹刀で叩かれる彼氏、いや、埴輪を見て、なんで壊れないのか突っ込まないでいられる自信がない。だから見学には絶対行かない。




 自分でもよくわからない強い決意を握りしめ、弥代は帰宅したのだった。






すでに一話完結ではなくなってきている……。あらすじ詐称ですね、申し訳ありません。

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