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恋する埴輪  作者: momo
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むしゃくしゃしてやった。反省も後(以下ry

 

 埴輪を知っているだろうか。


 すとんとした、シンプルな、……寸胴。

 あっさりとした、淡泊な……間抜け顔。


 時々ひょうきんな仕草をしているものもあるし、装飾されているものもあるが、顔にはぽっかりと空いた三つの空洞…………穴だ。


 埴輪に熱い情熱を傾ける人もいるだろう。

 埴輪を素晴らしい芸術作品とみる人もいるかもしれない。

 埴輪を歴史的に重要な存在と位置づける人ももちろんいるのだろう。


 だが。

 しかし、

 弥代にはどうにも愛着の湧かない物体だった。


 そう。


 物体でしかなかった。



 実際問題、何故こんなにもそんな物体について思いわずらわなければならないのか、弥代には皆目見当がつかない。

 いや嘘だ。本当は分かっていた。

 分かりたくないけれどもどうして自分が埴輪なんていう日常生活にかすりもしないはずの物体を延々考えているのか知っていた。


 隣をちらりと見て、うんざりとため息をつく。


「どうしたの?」


 弥代が思った以上に、彼女の口から大きなため息がこぼれ落ちたらしい。隣に座るものが驚いて顔を上げた。聞いてきた声には心配そうな気配がにじみ出ている。


「……………………うん……」


「何?」


「どうしてあんた…………ううん、何でもない」


「大丈夫か?具合悪いんなら保健室連れてこうか?」


「平気……あー……でもちょっとトイレ行ってくる」


 背中にかかる気遣わしげな声を無視して教室を出る。

 優しい恋人に取っていい態度ではなかった。弥代は心の片隅で反省する。


 あとで謝ったほうがいいよな……。でもなあ。その前に本当は聞きたいことがあるんだよなあ。でもなあ……。


「あー!もうっ!聞けるわけないよ……」



 叫び声は幸い、誰にも聞かれることはなかった。










 ある日突然、自分の彼氏が埴輪になった件について。誰も突っ込んでくれないのがしんどくて仕方がない。






今書いている長編作品に恋愛要素が出てきた瞬間、脳みそがパーンと……。その時私に恋愛小説は書けないと思ったのに、思ったのにどうして恋愛分野で新作を書き始めてしまったのか理解できません。

……お楽しみいただければ幸いです!!

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