おとそそう
元旦の朝に飲むお酒、お屠蘇。
邪気を払い、無病長寿を祈るありがたいお酒です。
お屠蘇を飲むときは小中大の3つの盃をよく使います。
我が家ではそれぞれの盃に意味を持たせています。
まず小さい盃は「福」 幸運を祈ります。
次に中型の盃は「禄」 お金が貯まることを祈ります。
最後に1番大きい盃は「寿」 長生きを祈ります。
我が家では叶えたい願いの盃にお屠蘇を注いで飲みます。
昨年の元旦は実家で姉の家族と一緒に朝を迎えました。
お屠蘇を飲む順番は年長者からです。
まず、父は「寿」で飲みました。
次に母も「寿」で飲みました。
続いて欲張りな義兄は「福」「禄」「寿」すべての盃で飲みました。
子育て中の姉はやはり「禄」でした。
僕は「福」と「禄」で飲みました。
「今年こそ結婚しなさいよ」
元旦早々、家族から耳の痛い言葉を浴びせられます。
大人たちが一通りお屠蘇の一杯飲むと、父が
「今年のお屠蘇はうまいな」
と義兄が持ってきたお酒を絶賛。父と母と義兄が「寿」で
2杯、3杯とお屠蘇のまわし飲みをはじめました。
僕はあまりお酒が飲めないので、その酒宴に参加しませんでした。
30分後、お屠蘇を飲み終えて家族中くつろいでいる中、ソファで
寝そべっている影が一つ。
最初の1杯しか飲んでいない僕でした。