不合理な面接
ある大企業の面接。
この日は一人の採用枠に対して5000人が会場に集まった。
「おいおい集まりすぎじゃね?どうするよ…」と面接官の一人。
「そうだな…、殺すか?」もう一人の担当、面接官はこの二人だけだ。
「そうしよう、では早速」
会社が所有するトラックで集まった人間を轢殺し始める面接官。
この企業には誰も逆らえない、面接に来た一般人、政治家から国家権力まで、それぐらい力を持っていた。
志望者が半分になる。
「大分減ったな」トラックから面接官が降りた。
「ああ、だがまだ多い、これで」火炎放射器を装備した面接官が言う。
次々と焼殺されていく人々、燃やされていない人間は直立不動のままだ。
志望者がさらに半分になる。
「まだ多いぞ」
「分かってる、これだ」手榴弾。
BOOM!!
死亡者は増える。
ついに最後の一人になった。
「おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとうございます、これで僕は合格ですね」
言い終わった途端、合格者が懐から銃を抜く、素早い!
面接官も負けない、隠しナイフ、毒の注射器!
銃声が響く、三発、三人とも倒れた。
銃弾は最初に轢殺された死体の中から発射された。
死体の山が動き、中から狙撃銃を持った男が現れる。
「これで俺が合格だな」
タバコを咥えて、火を着ける。
そして会場の出口へ向かう男。
面接官の腕にはタイマーがついていた、それは人間の脈拍を測るもので、ある装置と連動している。
タイマーが完全に切れた。
会場を巨大な光の柱が呑み込む、そして跡形も無く消失した。