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  作者: 神葉空気
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幕間 1 問

幕間 問


ーー世界は遠かったーー


俺が左目の眼帯を外した時、世界はもう自分の知っている世界ではなくなっていた。

世界は赤く染まり宙にはいくつもの人影が浮かんでいた。

いつの日からか俺は世界を疑うようになった。

自分が今まで見てきた世界と、今見えている世界は果たしてどちらがホンモノなのか?

この世界を見える者は他にいるのだろうか?

どうして俺にはこんなものが見えるのか?

そんな考えてもわからないことを考えて生きていたら、周りには誰もいなくなっていた。

周りの全てが偽物のように感じたのだ。

人が笑う。

幽霊も笑う。

人が泣く。

幽霊も泣く。

何が違うのか。

何か違うのか。

何も分からない。

解らない。

わからない

ワカラナイ。

唯一、そばにいたのは母と祐美だけだった。

以前に一度母に『視える』ことを話したら精神病院へ連れてかれた。

医者は事故のショックで幻覚が見えていると言った。

また母は泣いた。

その日から誰にも『視える』ことは言っていない。

そうして俺は『視える』ことを隠し、周りから距離を置いて生きてきた。

また母に泣かれたくなかったし、幻覚が見えていると知った時の周りの同情した顔が気にくわなかったから。

幻覚などではなく確かに『視える』。

だけど分からない。

これまで見てきた世界も同じように見える。

だから離れた。

人とも。

この左目に映る世界とも。

今の俺には生きている奴も死んでいる奴も等しく、同じく、そして変わらず『視える』から。


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