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[第五話]ダウジング少女

「えっと、現場はこの山ですね」


現場の山に近づいてきたので、さっそくリリに一仕事してもらいましょう


【リリ、いつもの頼める?】


「任せて!えーっと、まずは死体かな……」


リリはさっそく、曲がった2本の鉄の棒を両手に構えます。


リリはダウジングが得意なので、探し物をするときに呼ばれます。


探す範囲が広くないと、呼ばないこともあるけど


「うーんと、近くにはないかな。反応はちょっとあるけど」


リリのダウジングを頼りに、私は車の後部座席から指示を出していきます


【しばらくこのまま進みましょう】


直接声を出せないので、ナズマが運転席の一条さんに指示を伝えます


「一条さん、このまま直進で」


「了解です」




山の中腹あたりへ車を進めると、リリのダウジング棒が開き始めました


「よーし、来てるよ来てるよー」


そうリリが声をあげると、


「あっ、じゃあ少しスピード落としますか?」


一条さんがバックミラー越しに確認を求めると、

私も同じ考えなので、バックミラーに向かって、こくりと頷きました


【リリ、調子はどう?】


「感度良好!バリ5*バリバリで~すっ!」


「(リリかわいい。このまま見てたい)」


リリの元気な様子を確認する間にもリリのダウジング棒は開いていき、

しばらく時間が経つと、リリが再び声を上げる


「キタキタ!この近くにあるよ~!」


「よし、この辺りだな」


車を停め、リリを車に残してさっそく捜索を始めます



……探し始めて30分。なかなか見つかりません


「見つからないものだな。雑草の背丈も低く、枯れ葉も少ないから

探しやすい状況のはずなんだけど」


「リリのダウジングも、その場所ずばり当てるわけではないっすからね。


澄川さーん、何か見つかりましたかー?」


私は首を横に振って否定しました。


そしてもう少し捜索範囲を広げる指令を、メールで一条さんに送ります




「よいしょっと」


「うえぇ、気色悪い」


結局、物品すべてを見つけて、車まで運ぶ頃には、すっかり日が暮れてしまいました


集まった生々しい証拠物品を見て、ナズマの顔色が悪くなりました。


【大丈夫?】


「ああ、なんとか。でも、晩飯は食えそうにないっす……」


ナズマはこう見えて打たれ弱いというか、繊細なのよね。


「…………」


一方で、リリは疲れたのか、静かに寝ています


「今日もありがとう。じゃあ、リリが寝てるうちに、君たちを送るよ」



こうして今日も普通に依頼を終え、私たちは一条さんに送られて

住みかへ帰りました

*通信強度、つまり通信機器に通じる電波の強さを表す言葉。

つまり携帯電話のアンテナの本数。

普通、上限がバリ3なので多少誇張がある

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