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[第三話]依頼の終わりと帰り道

 私達は今、依頼人の林さんとともに、例の件の病院に来ている。

目的は、病院の客が落とした指輪を探すこと。


ここでいう私達とは、私、澄川玲奈と、虹目揃子の2人のこと。

ナズマは留守番です。放電魔が病院に来るのは危ないから。


「ところで、誰か他の協力者は呼ばないの?」


『呼ばない』揃子の問いに私はそう答える。

協力者については別の話。今回は彼らの手を借りる必要はないからね。


「いや、やっぱり探し物なら人数が多い方が――」


林さんは揃子その言葉をさえぎる


「あまり大きな騒ぎにはしたくないわ。それに、ここは病院。

大人数で探すと業務に支障をきたしてくるの」


変な噂も立てたくないし。病院にも、私達にも。


「ちょっと無理な頼みかもしれないですね」


【いや、頼まれたからにはやり遂げてみせますよ!】


そうメモ帳で返しながら、指輪が落ちていないか探す



しばらく歩いていると、前方に一見何の変哲もないごみ箱が見えました。

そう、遠目に見ただけではただのごみ箱……


【あのごみ箱、少し傾いていますね】


そのごみ箱を指差して私が問いかけると、


「あー、言われればそうかも。玲奈ちゃんはやっぱり注意力がすごいね」


と揃子が応じ、それを聞いた林さんは、


「すごいですね、私もそれを聞いてようやく気がつき……


聞いてもいまいち分かりませんよ。よく見えますね」


と続けました



問題のごみ箱を持ち上げてみると……


「あれ?何もないですね」


「林さん、ごみ箱の底は見ました?」


「え?あ、ありました!何でか分からないけど底にくっついてました」


そう言った林さんの手には、粘性の何かがくっついた指輪がありました


「うぇー、何その透明のネバネバしたやつ。気色わるいよー

(廊下のごみ箱の底がコレって、病院としてどうなの……)」


【その指輪、洗っておいたほうが良いでしょう】


ごみ箱を下して、私たちはそう伝えました



「澄川さん、虹目さん、短い間でしたが、今日はありがとうございました」


病院の入り口付近で、林さんはそう言いつつ一礼する


「いえいえ、また何か困ったことがあればまた呼んで下さい」


揃子が言い終わるところで、私たちも一礼を返しました




帰り道で、私と揃子は、いつものように今日の仕事を振り返る


「しかし今日はずいぶん早く終わっちゃったね」


『別にいいじゃない、たまにはこういう仕事も』


「でも、一応お金もらってる訳だし、ちょっと悪い気もするよ」


『お互い納得してるし、早く終わったほうが先方にも

よかったでしょうから、あんまり気にしないの。分かった?』


そんなことを話してる間に、家(私たちの拠点)が見えてきました


「――もうすぐ家につくし、この話はここまでにしましょうか。

さーて、今日のご飯は何ですか~♪」


『今日の当番は私ね。パスタでも作ろうかな』


「わーい、それってあたいの61番目の好物だね」


『そう、それそれ(前は90番目って言ってたけど、まあいつものことだし)』

7/19 台詞の微修正

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