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[第一話]ある暖かい春の日に

 今日も私は私達の拠点へ帰る。


拠点に名はない。一応帽子さんの家とでも言っておこうか


私が部屋の扉を開けると、いつもの2人がいる。


今日は珍しく帽子さんもこの部屋に来ている。

普段は帽子さんの部屋らしい二階にいるのだが


「玲奈ちゃん、お帰り」


「ちぃーっす」


「玲奈ちゃんこんにちは。今帽子さんがお茶を淹れてくれてるの」


『こんにちは。そのお茶、私もいただこうかな』



帽子さんを含め4人でお茶を飲む。

帽子さんのお茶は美味しく、なんだか心温まる味です


「なんかこう……帽子さんの人柄の良さが伝わるような味ね」


『揃子ちゃん、口調が年寄りっぽくなってるよ』


「えっ?そうだった!?やだやだあたいってば……」


「心が落ち着くような味にしたから、それは仕方ないんじゃない?」


「ああ、それもそうですね。あー揃子あせっちゃった」


そんな会話を眺めてたナズマがつぶやきました


「楽しそうだなぁ……俺も読唇術が上手かったらなぁ……」


それを聞いた揃子が追い打ちをかける


『早く上達しなさいよ、ナズマ!』


「ちょ、虹目さーん!あんたまで口パク使ったら俺何も理解できないんだけど」


それを真似てか、帽子さんまで口パクをつかうが、

やはり帽子さんは優しかった


『とりあえずお茶飲みなよ。落ち着くよ』


そう声を発さず言うと、帽子さんは自分の湯飲みを少し持ち上げました


ナズマはその様子を見ると、とりあえず残りのお茶を飲んだ……


「……今、なんか読唇術が使えた気がするぞ!」


ナズマのその言葉に、揃子はすかさずツッコミを入れる


「何調子に乗ってんの!ジェスチャーを読んだだけでしょっ!」


そう言ってナズマの頭を叩くが、揃子はその手をすぐ痛そうに振る


「イタタタ……忘れてた、あんたが電気ビリビリだってこと……」


「気を付けてくれよ、外出しないときは俺も油断してるんだから」


ナズマは特異体質で、どういう訳か身体に電気が溜まってしまう。

何かに触ったり触られたりしてしまうとあっさり放電してしまうし、

感情が昂ると電気をまき散らして危ない


電気が溜まると、髪に溜まった電気同士が反発して髪が開いていくので、

どれだけ電気が溜まっているかの目安になっている


あまり溜まりすぎると、腰に提げた刀のようなものに電気を逃がしている


「あんたさぁ……はやく電気を制御できるように進化しなさいよねぇ……」


「進化って……俺はどこぞの黄色い電気ネズミの進化前じゃねぇ!」


「はは、進化か、そりゃいい」


『進化の一言で、よく連想できるものね』


やっぱり少し奇妙ではあるけど、それでも楽しい。それが私達の日常。


「さて、僕は上の階にいるので、何かあれば呼んで下さいな」


そう言って、帽子さんは上の階の部屋へ行く



「平和ねぇ……」


『ほら、やっぱり年寄りっぽい口調になってる』


「え?また?……もう別にいいや……」


「ははは……(澄川さん何て言ったんだろうう…?)」


……コン、コン


そんな所へ、今日もまた依頼がやってくる


「すみませーん、えっと……何でも屋さんですかー?」


「あーはい、上がっていいですよー」

Q.黄色い電気ネズミって何?

A.気にするな

Q.帽子さんはどうしてお茶を淹れたの?

A.前の収録で余ったから。…え?前の収録って?気にするな

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