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[第七話]発明少年登場!

「たのもー!」


私達が出発しようとしたまさにその時、1人の人物に出鼻を挫かれてしまいました。


「あーもうっ! 誰よ、こんな時に!」


「空気読め! せっかくの勢いが台無しっす!」


揃子とナズマが文句を並べながら振り返ると、


そこにいたのは揃子と同じくらいの背丈で、橙色の寝ぐせのついた髪、

そして額にゴーグルを装備した青年だった。


この人物の名前は(クレ) 兵太(ヒョウタ)。私たちの協力者の1人。


「せっかく朝早く来てやったってのに、そのセリフはないだろ」


「あっ、呉君じゃないっすか。いや、さっきのは呉君のタイミングが

あまりにもアレだったっすから……」


ナズマはそう言うと、今までの私達の話の流れを説明しました。


「……で、おいらはその時にちょうど声をかけたってか?」


「そう、本当に的確に悪いタイミングだったっす。


……ところで、今日は何しに来たっすか?」


「兵太くん、用事があるなら早く済ませてよね」


「虹目、おいらが悪かったからそんな恨みのこもった厳しい目をしないでくれ……


おいらの用事は1つ。積、あんたにプレゼントだぜ」


ここで兵太がナズマへ、黒いカバーのような物を投げ渡しました。


「これは、いったい何っすか?」


【スマートフォンのカバーに見えますね】

「スマートフォンのカバー、ですかね」

「確実にスマホのカバーでしょ?」


「え、分かってないの俺だけだったっすか? なあ呉?」


私たちの反応に戸惑ったナズマが兵太に確認を求めると、

兵太は自慢げな調子でこう返しました


「ご注文はお忘れかな? 呉様特製、耐電性スマホカバーだっ!!」


兵太の言葉を聞いたら、ナズマは歓声を上げました。


「うおーっ、確かにそんなもん頼んでたっすね! サンキュ!」


私たちの予定を忘れ、目を輝かせてナズマは喜びましたが、

揃子は冷たい態度で追い返そうとします。


「さあ、用が済んだらさっさと帰るのね」


「虹目冷てえよ、言われなくても帰るさ」


だけど今度は帽子さんが兵太を引き留めます。


「まあ待ちなよ。せっかくだし、暇なら一緒に来るかい? 温泉」


「え? いいの? だったらおいらも行くけど」


兵太は聞き返してこっちを見渡したので、ナズマと揃子は困惑気味になりました。


「いいよね、リーダーさん?」


帽子さんが私に確認します。揃子は少し嫌そうな顔をしていましたが、

私は了承の意を示します。


『いいですよ。せっかくだからこの際他のみんなも呼びましょうよ』


「だってさ、良かったな兵太」


「よーし、おいらさっそく準備してくる。すぐ戻ってくるからな!」


そう言って兵太は走り去って行きました。


そして彼が見えなくなると、揃子が不満そうに話しかけてきました。


「みんなを呼ぶって本気なの!?」


『不満ですか? 私たち3人だけ休むわけにもいかないと思ったんだけど』


「えー、また出発が遅れちゃうじゃないの」


「まあまあ揃子ちゃん、温泉は逃げたりしないから落ち着いて」


帽子さんが揃子をなだめている間に、ナズマは呼ぶ仲間を確認します。


「みんなと言っても、それほど大人数じゃないっすよね。えーっと、


さっきの呉君と、リリと、一条さん……と、あと誰だっけ?」


【あとは照君と、こだまちゃんですね】

呼ぶ仲間というのは、あくまで名も無き一団の協力者。

なので御園さんは呼びません。

あと、一条さんは仕事が忙しいので温泉には来ません。

これで温泉回の男女比が4:4。なんとかバランスとれたかな。

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