あなたの知らない私
衝動的に書いてしまった作品です。
今にも一雨降りそうな曇り空。
だけど私の気持ちは、それとは反対に清々しいほどに晴々としている。
――あなたは今、何をしているの?
たぶん……あの子と一緒なのかな。きっと笑顔なんだろうね。
――ねえ、憶えている?
最初は話しかけることさえできなくて、あの子の友達である私に相談してきたよね。
――ねえ、憶えている?
「彼女のことが好きなの?」って聞いたとき、あなたの顔が真っ赤になってたよね。
――ねえ、憶えている?
やっと話しかけることができたとき、あなたは嬉しそうに笑ってたよね。
――ねえ、憶えている?
彼女と仲良くなる作戦を一緒になって、馬鹿みたいに考えたよね。
――ねえ、知っている?
友達だからって私に相談してきたとき、ちょっと傷ついたんだよ。
――ねえ、知っている?
照れて真っ赤になったあなたの顔は、とても可愛かったんだよ。
――ねえ、知っている?
嬉しそうなあなたを見ていると私まで嬉しくなるんだよ。
――ねえ、知っている?
あなたにとっては何気ない時間でも、私にとっては楽しくて幸せな時間だったんだよ。
――ねえ、知っている?
私はあなたのことが
「……好きだったんだよ」
駄目だったとしてもこの気持ちを伝えるべきだったのかもしれない。でも、臆病な私はできなかった。ただそれだけのこと。
手元にはあなたからの招待状。
好き
ありがとう
笑顔であなたに言うから「お幸せに」って。
だから
さよなら
読んでくださり、ありがとうございました。