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悪魔と少女

んっ…


ここは…?


固い床の感触を背中に感じ、俺は目覚めた。


目を開けると…


「知らない顔だ…」


そこには真上から俺の顔を覗いていた少女がいた。



そう呟くと、何故か落胆したような馬鹿を見るような顔をしていた。


とりあえず、俺は上体を起こして周りを見回した。


ローブを被ったいかにも魔法使いといった格好で俺を囲んで見ている連中が居た。


「@§※〒〒★○←◎¥◇¢□%#≧」


そうやって少し考えて状況を考えた。


「無*▼な…〒▼なさ@よ」


ああ!クエストか?


「ちょっと!!話聞きなさいよ!!」


ん?


「なに?」


自分の声がゲームの時と違う?


「だから、貴方は何なのよ?」


いや、俺はゲームの設定で渋い声にしていたはず…


まさかな…


いや…鏡を見るまでわからんぞ。



「また無視「鏡はあるかい」……ないわ」


無いのか…なら


「ボックスオープン」


俺はアイテムボックスを開けると鏡を取り出した。


アイテムボックスが使えたから、ゲームの中だと思っていた俺は鏡を見た瞬間その考えが砕けた音を聴いた。


写るべき姿は、完全に人外の姿をした悪魔のはずだった。


しかし、そこには…何処にでも居そうな平凡な顔をした現実の俺が居た。


「…ここは何処だ?」


僅かな希望を胸に少女に聴いた。


「…ここは、アルシェラと言う魔法国よ」


残念ながら俺は現実でもゲームでもない世界に来たようだ。


いや…待てよ?

ならば何故アイテムボックスは使えたんだ?


確かめるしかない…


「ステータス」


そう唱えると目の前に半透明のスクリーンが表示された。


ヨシュ・キ・ベルクルト


真名マナ「**ヨシユキ」


三万七千五百二歳


男性


HP:35225

MP:204999


職業:大悪魔王


攻撃力:EX

精神力:EX+++

耐久力:EX

速さ:EX


常時発動skill「隠蔽」


称号:悪魔の王・神殺し・異世界から来たもの・最高の中二・生産者・残念な廃人


ステータスがあり得ないぐらい上がってる…


………あっ…


称号に異世界から来たものってのがある…


そっか…薄々気づいてはいたが、真実は悲しいな…


思考が現実に戻ると、目の前に若干切れた少女が居た。


「いい加減いいかしら?」


うわっ…切れてるよ。


「良いよ、で…なんだい?」


「…貴方は一体何?」


「俺?」


「そう貴方、私は最強の悪魔…魔王を呼んだ筈なんだけど…貴方は何なのよ?角も無ければ羽もない、それに魔力が無いじゃない?」


「…魔力?ああ、隠蔽が発動してたっけ?」


俺は隠蔽のskillをOFFにした。


その瞬間、身体から溢れる魔力が濃さを増していき結晶化し始めた。


久々に見るエフェクトだなー


「止めなさい!!今すぐ!!」


顔を真っ青にした少女が止めてきた。


わからんが、とりあえず隠蔽をONにして周りを見回した。


少女以外倒れてます。


「とりあえず…どうしたんだ?」


「貴方の魔力の魔力負荷に耐えれなかったのよ…私も危なかった…」


「魔力負荷?」


「…貴方の中に有った魔力の一部が漏れて溢れたのよ…通常大気に含まれている物の百倍は濃いい魔力が」


「ふーん、それで何で俺を召喚したの?」


「私を知らしめるためよ。」


「…俺が帰る方法は有るのか?」


「無いわ、だって悪魔を喚ぶためだったんだもの…」


「仕方ない…なぁ、少女よ…お前は俺を呼んだんだから養う義務がある…理解しているか?」


「…良いわ、だけど…私の手伝いをしてよね。」


「知ってるだろうが悪魔は代償が無いと動かないぞ?」


「へっ…?貴方は悪魔なの?えっ?なら私は召喚に成功してたの?」


「まぁ、一応そうだな。」


「…階級は?」


「…俺が居たとこでは、悪魔の王とは呼ばれていた。」


「そう…なんだ…」


「で、どうするんだ?」


「とりあえず帰りましょう。」


「かまわないけどな、この周りの奴等はどうするんだ?」


「…野次馬だし、ほっときましょう。それより…貴方の周りの魔力結晶…もらっていい?」


「大丈夫だ、問題ない。」


なんてことなのよ・・・私のアイスが・・・溶けてたぁ・・・。


楽しみにしてたのに・・・


べしょべしょのクッキーだけが残ってたよぉ・・・


では・・・また(泣)

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