ココアを飲みたい
神さまは、
叶わない愛なんて知らない
って云ってた。
幻の夜、
かつてのひとを求めた私のあたまは
すこし許せないくらい熱くなって
嘘みたいに
涙なんてものまで
浮かべてしまってる始末。
叶うわけないし、
叶ってほしくもない愛に
すっかり打ちのめされて
なにもかも忘れたいと
こんどはそれだけを
祈ったりしてね
お手頃感覚の
神さまなんているのならね
神さま、おねがいだ。
でないと私は
棒立ちの影になる
無力な純情になる
そしてただ
あたたかいココアだけを飲みたくなる
そして
叶わない愛なんて知らない
って
口に出してみなくてはならなくなる
そしてそろそろ
慰めの夜は深く深く更けゆき
ただ静かでやさしげな三日月が
新しいほほえみをみせてくれる
神さまはなんだって許してくれるから
神さまのみこころにすべてを委ねよう
そして心が知ってるのは
神さまは、
叶わない愛なんて知らない、
って云ってた
って、いう
切り裂くみたいな
哀しい十字架のこと。