第83話『救出』
登場人物
◎舞原 彰(まいはら あきら:アキラ)
男性 59歳
身長180cm超 バキバキの筋肉質 スキンヘッド まつ毛の長い、キラキラした瞳の女性のような目
定年間近の某県警刑事
剣道七段(練士)柔道五段
逮捕術上級(全国大会準優勝の経験あり)
雑学好きのうんちく親父
涙もろく人情派
素人童貞
殉職後、異世界にエルフの美少女に転生
◎マイカ(アキラ)
年齢16~18歳くらいの見た目
白金色の長い髪
緑色の瞳
先の尖った耳
巨乳
のエルフ美少女
舞原彰の転生後の姿
ハンデルの営むヘルト商会にて稼働
ラウムテ帝国の皇家直臣となり、異世界初の警察組織建設のため奮闘中
◎ケルン
モンスターであるケルベロスの子(♂)
3つの頭、尻尾は1本
中央の頭に他のケルベロスには無い、赤い尖った角が生えている。
火を吹く
甘いものが好き
◎ハンデル
男性 30歳
身長180cm強 細身の引き締まった体型
茶色くせ毛短髪 茶色の瞳
旅の行商人 剣の達人
街道筋の脅威となるモンスターや盗賊などの退治を請け負う「闘商」としても活動する。
割りと二枚目
◎エフェリーネ
女性 22歳
ラウムテ帝国摂政
第9代皇帝の女帝ヨゼフィーネの一人娘
ヨゼフィーネの死後、皇帝に即位した従弟のヤスペルの代理として政務を執り行なっている。
身長165cm 中肉
茶色セミロングストレートの髪
やや淡い茶色の瞳
◎リーセロット
女性 年齢不詳(20歳代前半から半ば辺りの見た目)
エフェリーネの側近くに仕えるダークエルフの女性
身長170cm 美しい体型 爆乳
黒髪の長髪 黒い瞳
雷の魔法を使う
◎ペトラ
55歳(見た目は常人の20歳代半ばくらいの若さ)
女性 姓はリデル
ステルクステ騎士団団長
身長約230cm 筋肉質だが丸みを帯びた体型で、腹部腰部が細く括れている。
赤い肌 赤い瞳 銀色の蓬髪
亜人のオーガ族で大陸最強の戦士と謳われている。
レズでドM
好ましいと思わない相手には、とことんドS
◎アードルフ
41歳 獣人種である狸人族の男性
身長約170cm ずんぐりむっくりな体型
焦げ茶色の短髪 同じ毛色の太い尻尾
頭上に半円形の耳
ステルクステ騎士団団長ペトラの副官
巨大な戦闘斧を使う剛の者
変化の魔法を使う
◎イエルン
21歳 黄色に所々黄土色の斑点がある毛に全身を覆われた獣人、豹人族の男性
身長190cm弱 スリムでしなやかな体型
ステルクステ騎士団団長ペトラの副官アードルフの従士
非常に速い速度で走れる
◎アッケルマン辺境伯
男性 42歳 実年齢より若く見える
身長約180cm 細身 栗色短髪七三分け 榛色の瞳
ラウムテ帝国 伯爵 名はフィリベルト
その所領地は帝国貴族中、ウェイデン侯爵家に次ぐ広大さ。
北方を敵対するフリムラフ教国と接する為、その抑えの任に就く。
モンスターの収集家で、モンスターの狩猟捕獲だけを目的とする部隊を編成している。
◎ライン
男性 37歳
身長約185cm 筋肉質
黒髪短髪 黒い瞳 黒色の髭面
アッケルマン辺境伯に仕える騎士
アッケルマン伯爵が編成するモンスター猟獲隊の隊長
◎シュルス
男性 61歳 実年齢よりかなり老けて見える。
身長約155cm 痩せ型 肩までの長さの白髪
アッケルマン辺境伯に仕える魔法使い
眠りの魔法を使う
「……早かったな、アードルフよ。」
「へい、ペトラ団長。皆、飛ばしてきやしたからね。」
ペトラやマイカ達が居た場所に先に現れたのはアードルフ率いるステルクステ騎士団の者達であった。
人数は100名程で、ペトラの従士とアードルフの従士達だった。
皆、統一されていない思い思いの武装に身を固め、馬に跨がっている。
アードルフは青鈍色の鎧兜に身を固め、アードルフの胴体部分程の大きさのある刃が付いた巨大な戦斧を背負っている。
「城兵達はどうした?アードルフよ。」
「へい、この城に着いてから一人一人別れて、目についた兵達を気絶させてきやした。
まあ、相当広いんで離れた場所にいる連中には手を付けれていやせんが。」
「そいつも含めて早かったな。褒めて遣わす。」
「へい、有り難うごぜえやす。
でも、近くの広場に居た兵達は、軒並ウイントがぶっ倒していやしたよ。」
アードルフがそう言うと、従士達の群れの間からウイントが前へ歩み出てきた。全身にビッショリと汗を掻いている。
「ウイント御苦労だった、さすがは我が愛馬。
どうだ?言い付け通り蹴らなかっただろうな?」
「へい、団長。ウイントに蹴り殺された者はおりやせんでした。
…しかし、誰も殺さずに気絶させるだけなんて、却って骨が折れるでやんすね。なあウイント?」
「ブルルルンッ!」
ウイントはアードルフの問い掛けに大きく頷いた。
「ペトラ、マイカ、二人とも無事?」
リーセロットが近付いて言った。リーセロットも騎乗で、銀色の鎧を身に付け、同色の兜を被って耳を隠している。
「クーン、キューン、クウゥーン。」
その時、眠っていたケルンが眼を覚ました。3つの顔を交互にマイカに頬擦りさせる。
「ケルン…大丈夫みたいだね。良かった…」
マイカはケルンの身体を抱き締め、愛しそうに頬擦り返した。
「ほっ、ケルンも無事のようね。
で、ペトラ、アッケルマン伯と話はついたの?」
「ふんっ、話も何もリーセロットよ、勝手に我が領内に部下を派遣してケルンを拐かしやがったアッケルマン坊やに今からお仕置きをするところよ。」
「…やめてペトラ。アッケルマン伯は我が帝国の忠臣よ。同盟相手の臣下に手を下すとすれば大問題よ。」
「ふんっ、何が忠臣か!
…まあ、ええわい。ケルンを連れ戻すのが第一の目的だからの。離れた所の城兵が来る前にさっさと退散するとしようかの。
おいマイカ、そしてケルンよ、儂と共にウイントに乗れ。」
「少し待ってペトラ。
リーセロット、あなた、アッケルマン伯に何か聞きたい事はない?」
「…マイカ、あなた例の能力を?」
「うん。ケルンの首飾りが無くなっていた事について聞いた。そこのラインって人が隠していた事を自白したよ。
だからラインさんは連れて帰らないと。罪に当たるだろ?」
「ええ、そうね…でも、そもそも私達がステルクステ騎士団領に来たことが秘密だし…」
「あっ、そうか!じゃあ仕方ない、ケルンも首飾りも戻ったことだし、ラインさんを連れて帰るのはやめるか…
で、さっさの質問を繰り返すけど、アッケルマン伯に聞きたい事はない?リーセロット。」
「…そうね…では、アッケルマン伯に質問して、マイカ。」
「判った、リーセロット。例の件だね?
アッケルマン伯爵、先日此処に…」
「ええい!何を聞きたいというのだ!?
私は何も言わぬぞ!!」
(パリーンッ…)
この時、胸の奥で何かが割れるような音をマイカは感じた。
(何だ?今の感覚は…まあいい、質問を続けよう。)
「…先日此処に行商人達が訪ねて来た筈ですが、何の用だったのですか?」
「……そ、そのような下賎の者について私が知る訳なかろうが!」
(それもそうか。でもリザードマンに関する事なら伯爵自身も知っているのではないか?質問を変えるか…)
「…伯爵はリザードマンについてはどう思われていますか?」
「リ…リザード…マン……や、奴らの事は…え…ええい!質問には答えぬと申したであろうが!!」
(何!?何かを答えようとしたが答え切らなかった。何故だ!?)
「…では質問を変えます。
アッケルマン伯爵、失礼ですが貴方はヘローフ教の過激派の連中について何かを御存知ではありませんか?」
「…ヘ、ヘローフ教…の過激派…は、そ、それは…あの連中…と、わ、私は…かね…て…よ……
うっ、うっ!ええい!何も言わぬわ!!」
(まただ!まさかオレの万能職務質問が効かない?
…いや、伯爵はオレが質問し始める前に何も言わない!と宣言したな…それは供述拒否権ということになるのか?
そうか、職務質問である以上、供述拒否権を行使されると、スキルの効力が失われるのかも!?)
「…くっ!では、次の質問は……」
「おっと、マイカよ、リーセロットよ、そろそろ潮時だ。大勢の兵達が此方に集まりつつある。
相手が大人数だと、さすがに儂らも手加減は出来ん、殺さざるを得んようになる。
さっさとケルンを連れて城を出よう。」
「…そうか、判ったよペトラ。
ごめんリーセロット、後で説明する。」
「そうね、マイカ。アッケルマン伯があなたの質問を拒絶出来た訳は後で聞くわ。」
「さあケルン、一緒に帰ろう。これからはもう離れないよ。」
「クウーン、キュウーン、クウウーーン。」
ケルンはマイカに鳴いて答えながら、いまだ荷車の上で横たわっている、母の変わり果てた姿を見つめていた。
「ペトラ、あのケルンのお母さんはどう連れて帰る?」
「おう、そうじゃな…おいアッケルマン!その荷車ごと頂いていくぞ。
誰ぞ、馬に荷車を繋げ!」
その時、座ったままマイカに寄り添っていたケルンが立ち上がり、母の剥製が乗った荷車の方に向かって駆け出した。
そして荷車の手前で立ち止まると、3つある顔の内の中央の口を大きく開き、勢いよく炎を吐き出した。
ケルンの母ケルベロスの剥製は瞬く間に荷車ごと炎に包まれ、煙が天高く舞い上がっていった。
ケルンはその場に座って煙を見上げ、その6つある目から涙を流した。
「ケルベロスが涙を!」
「モンスターが、ケルベロスが泣くなんて!」
アッケルマン伯とラインがほぼ同時に驚きの声を上げた。
ケルベロスが涙を流して泣くということが常識には無かったのだろう。
マイカは煙を見上げたまま座っているケルンに後ろから近付き、そっと抱き締めた。マイカも止めどなく涙を流している。
「そうだよね…お母さんをあんな姿のままでいさせられないよね…
天国に送って上げたんだね、ケルン……」
(…ママ…ボクヲニガシテクレテアリガトウ
ボクヲイカシテクレテアリガトウ…
ボク、ツヨクナルヨ
ママヲマモレナカッタブン、スキナヒトタ
チヲマモルカラ……)
「…さあ皆の者!我が騎士団領に戻るぞ!!」
ペトラはマイカとケルンを両脇に抱え、ウイントの背に飛び乗ると、そう号令をかけた。
号令と共にステルクステ騎士団の一行は一斉に駆け出し、城門の方へ風のように去っていった。
第83話(終)
※エルデカ捜査メモ〈83〉
この世界におけるモンスターは一般的に笑うとか泣くとかの感情を表に現す事など無いと言われている。
人間のような感情を持っているという事は、当然、人間のような高い知能を持っているということであり、かつてモンスターに分類されていた亜人や獣人達も、この高い知能と情緒により人類の仲間入りが出来たのである。
しかし、この広い世界には、逆にかつて人類であったのにも関わらず、モンスターへ変化したものもいるらしい…
ケルンを無事に救出することが出来ました。
しかも死人は出さずに。
ケルンの母親の剥製に対するケルンの処遇、やはり辱しめを与えられているとケルンは思ったのでしょう。そのことをマイカも即座に理解出来たようです。
ようやくケルンの母は天国に行ける事が出来ました。
アッケルマン辺境伯とは遺恨を残すことになりましたね、今後どのようになるのでしょうか?
これからもよろしくお願いいたします。




