第3話 調べ物
よし。一旦整理しよう。俺は迷宮で見捨てられてあそこで出会ったモンスターの共同で生活している。俺の心の中だけど。それでやっと迷宮から出たと思ったら、疲労と空腹で倒れちゃって気がついたらみんなの家にいたと?出来すぎじゃない?おかしくない?そう、やっぱりおかしいだってこんな幸運がありえるのか?おいなんとか答えろよモンスター。お前見てなかったのか?
『俺はお前の視覚、聴覚から情報を得ている。だから、お前が気絶している間は何も見えんし何も聞こえん。要するに真っ暗な状態だ』
なんか、微妙に可哀想…いやそんなことはない。こいつはモンスター。そう、モンスターだ。モンスターが可愛そうなわけがない。って、話がズレたな。何故かみんなの家にいるわけだけど、そんなに運がいいこと有るか?少しラッキーすぎないか?ちょっと聞いてみるか?でももし違ったら恥ずかしいしな?いやでも俺はもう間違えられない。
「なんで俺が落ちているところにいたんだ?タイミングがあんまりにも良すぎないか?俺はもう間違えられないんだ。ちゃんとした答えを教えてくれ」
「それはね、ニュースでハンターが1名行方不明ってなってて、自分のランク以上を受けるのは健二しかいないからもしかしたらって思って調べてみたの」
「そしたらお前が行方不明ってなってたから愛菜が飛び出したんだ。それで俺たちは呆然としてたら愛菜がお前を運んで家に戻ってきて、寝かせてたってわけだ。お前本当に愛菜に感謝しろよ。愛菜が運んでなかったらお前やばかったかもしれないんだぞ」
そういうことか。それなら愛菜に感謝しないとな。
「愛菜、それにみんな。本当にありがとな。みんなのおかげで俺は生き延びられた。感謝してもしきれないよ。このご恩はどうやって返したらいい?」
俺はそう感謝しておいた。やっぱ持つべきもの友だな‼
「そんな、別にいいよそのくらい。あ、そういえば健二これ知ってる?面白いことが起きたんだよ」
愛菜はそういい俺にスマホの画面を見せてきた。ん?なになに、天才ハンター石井隆治だって?なんだこれ?これの何が面白いんだ?
「この人ね、健二が行方不明になってる間に生まれたハンターなんだけど、なんかめちゃくちゃ強いらしいの。能力も公開されてるから後で見てみな」
へー、そんな事があったんだ。それも後で見てみるか。あ、そうだ。
「俺ちょっと見たいものあるから図書館行ってくるわ」
そう。俺が見たいものとは図書館にある本、スキル集だ。このスキル集で俺のスキルの正しい使い方をマスターしてやる。それで、アイツらに復讐してやる。それじゃあいざ図書館へレッツゴーーーー。
図書館についたからスキル集を読んでたんだけど、俺のスキルの『強奪』と謎に持ってた『多重複世界』。この2つのスキルで分かったことがいくつかある。
まず『強奪』では条件が詳しく分かった。『強奪』でコピーまたは奪ったスキルは複数同時発動ができないらしい。つまり、手に入れてきたスキル全部同時で発動して会心の一撃‼みたいのはできないらしい。
次に『多重複世界』について。というかまずスキルの詠唱について。
上位のスキルになればなるほど詠唱というものが必要らしい。『多重複世界』も同様で基本的には詠唱がいるらしい。だけど、何回も使って使い慣れたスキルは詠唱なしでも80%ぐらいの威力を発揮するらしい。それで、『多重複世界』に入るけど『多重複世界』は世界を想像するスキルなわけだけど、少し解釈が違った。どうやら初めて使った時に世界が想像されて2回目以降は発動するとその世界に飛ばされるみたいだ。そしてもう一つ。これはほとんどありえない可能性だけど、『多重複世界』を使える人同士が戦って同時に『多重複世界』を発動したらどうなるか。答えはより多くの魔力をかけている世界が勝つらしい。
これで色々分かったから良しとするか。あっ、そいえば愛菜が石井隆治について調べてみなって言ってたな。調べてみるか。
ふむふむ。
ほーほー。
は?
石井隆治18歳でハンターとなる。ハンターになってまだ3日めだがS+ランクに認定される。そして、スキルの他に特異体質も持っていた。相当化け物じゃないか。おかしい強さだな。
『ふむ。正直こいつは嫌な感じがする。あまり関わらないほうがいいだろうな。まるで俺を封じた神のようだ。あれはトラウマだな』
へー。それはいつか聞くとして、嫌な感じってなんだ?どういう意味だ?
『そのままの意味だ。俺を封じた神と同じ気配がしていい気がするはずがない』
ふーん。まぁいいやとにかく知りたいことは知れたし、やることもやったからみんなに挨拶だけして家に帰ろっかな。
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「えー健二もう帰っちゃうの?もうちょっとここにいてもいいんだよ?ご飯とか食べていってもいいよ?」
「いや。その気持ちだけ受け取る。俺も早く家に帰って弟とお袋を安心させてやらないとな」
「…健二ってさ変わったよね。前までは母さんって呼んでたのに今はお袋だし。目つきも鋭くなったし。迷宮でなにかあったの?相談に乗ろうか?」
「…いや。大丈夫。心配してくれてありがとう」
愛菜も感が鋭いな気をつけないと俺が復讐をしようとしていることがバレちまう。つぅか俺お袋なんて呼んだのか。マジで口調とか性格も変わってきてんな。そうなるとお袋もびっくりしちまうだろうな。正直かなり心配だよ。
現スペック+おまけ
佐藤健二
18歳
身長175cm
体重68㎏
スキル
強奪A+
書かれているランク以下の対象の命、魔力、体の1部、心などを奪える。
スキルも強奪とコピーができる。
相手が戦闘不能状態なら強奪またはコピーができる。
しかし、2つ以上ランクが下のなら強奪を無条件で、1つ以上ランクが下だったらコピーを無条件で発動することができる。
また、強奪またはコピーしたスキルを併用して発動することはできない。
多重複世界
魔王メビウスの能力で神の権限を持っている。
一時的に自分の世界を想像し対象を閉じ込める。その世界は自分が想像した世界だから好きな効果が発揮される。(一方的すぎる事はできない)
一度使うと別のスキルに変わってしまう。例(鈴木亮の場合)︰多重複結界→多重複結界︰接触の世界
鈴木亮は触れたもの(生物を除く)を魔力を流すことで操ることができるため、触れなくても操れるようにした世界。内側から血を操ったりできる。(臓器は流石に無理)
のように自分だけの世界を作れるが、健二はまだ使えない。
強奪したスキル
風刃
風の斬撃を飛ばせる。
浮遊
浮くことができる。
反転
スキルの効果を逆転させることができる。
肉体強化
体を強化することができる。
回復
回復できる。
武器想像
無印の武器を作れる。
石井隆治
18歳
身長180cm
体重72㎏
スキル
減速の魔眼
対象の効果を遅くする。
加速の魔眼
対象の効果を速くする。
武器想像
武器を生み出せる。また、その武器に能力を付与することもできる。