第1話 迷宮遭難
暖かい視線をお送り下さい。
俺は佐藤健二18歳のハンターだ。
早速だが俺は迷宮に入ろうとしている。なぜなら金を稼ぐためだ。母さんと弟を養うためだ。
今回の迷宮はCランクの迷宮らしくそこそこ強いハンターが集まっている。中には上位ハンターとも呼ばれるB-ランクのハンターもいる。ちなみにランクというのはその人が持つ魔力の量から世界が測定しその結果を手の甲にあらわす。
へぇ〜すごいな。俺はもちろんEランクスキルもEランクだから相当弱いランクだな。正直こんな強い人たちとモンスター狩りをするのは気が引ける。強い人が殺しそこねて弱ったモンスターに奇襲をかけてやっと倒せるレベルだからだ。自分が恥ずかしい。だけどそんなこと言ってられない状況になってしまった。
弟、、、健太が病気になってしまった。それもかなり重い病気らしい。病気を治すためには、お金が必要だ。それも10000円や20000円なんかじゃ足りない。100000円必要だと言われた。
100000円だ?健太を守るためならいくらでも稼いでやるよ。だから健太、、、もう少し待っていてくれ。
迷宮の門まで来た。正直結構怖い。それでもやってやるよ。Dランクモンスター1体倒すごとに5000円ランクが1つ上がるごとにその倍。100000円稼ぐためにはDランクモンスター20体倒すしかない。俺はDランク1体で怪我をする。でも、やってやる。
「ハイ皆さん注目〜。私、今回の迷宮攻略のリーダーにならせていたただ来ました。佐々木純一と申します。ランクはB-ランクです。よろしくおねがいします」
佐々木さんか…噂は聞いている。素晴らしい人格者でかなり強いらしい。最悪俺も守ってもらうか…
なんだ?おかしい迷宮に入って1時間以上、、、いやもしかしたら2時間経っているかもしれない。それなのに、ボスの間が一向に見えてこない。普通、ボスの間は 30分も探したら見つかるはずだ。それなのに、、、
「おい‼佐々木さんおかしいんじゃないか‼もうすぐ迷宮に入って2時間経つのに一向にボスの間に到達しない。もしかして俺たち迷っているのか?」
今騒いでいるのは道崎さんCランクのハンターだ。しかしやっぱりおかしい。普通こんな時間はかからない。それに、迷宮で迷うなんて聞いたことない。迷宮に入る前の宝箱で地図がもらえるからだ。ならどうして…
やっぱりおかしい。今からでも巻き返したほうがいいんじゃないだろうか。
「皆さん道崎さんも仰っている通り彰気に今の状況はおかしいです。そこで決を採ろうと思います。このままもう少し進みたい人。1度地上に戻って作戦を立て直す。この2つでいこうと思います。それでは聞後と思います」
俺の意見なんてとっくに決めている。
「まず1度地上に戻りたい方」
俺は弟のために死んでも金を稼ぐ。だから…
「次にこのまま進みたい人」
バッ‼俺は死んでも金を稼ぐ。
「ハイッ。では、進みたい方のほうが多いためもう少し進んで様子を見ようと思います。それでも危険と判断したらすぐに戻ります」
それからさらに30分後…
「やっとありましたね。ボスの間の門」
「そうですね」
「たいへでしたね」
「とっとと終わらせて帰りましょうよ」
などなど様々な声が飛び交っている。だが正直な話俺もひとまず安心した。このまま見つからなかったら何もできずに帰ることになるから。
「では、あけますよ」
ギィィィィィィ
その門の中にいたのは黒い姿をした異形のーーーーーー
「強奪」
ガクン
え?どうしたんだ?道崎さんが膝から崩れ落ちた。何が起きたんだ?
「強奪」
ガク
「強奪」
ガクン
「強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪強奪」
バタン‼‼
「フンッこの程度かつまらん」
その時になって俺は初めて声を発せた。
「お前は何者だ?」
「おぉ小僧が1人生き残ったか。んん?いあや隠れてはいるが何人か生き残っているな。腕が鈍ったか」
なんなんだ?このモンスターは。人の言葉をあんなに流暢に喋れるなんてまるでSランクモンスターじゃないか。もしそうだとしたら勝てるはずがない。今すぐ逃げないと‼
「皆さん速く逃げまsーーーーーー」
「うるさい。それ以上喋ってら殺すぞ」
そんな…まずいこのままでは殺されてしまう。どうしようどうしようどうしよう。
「おぉそうだ面白いことを考えてしまった。10秒以内に俺に生贄を差し出せ。そうしたら他のやつは助けてやろう」
「「「「「「「「「「そこにいる佐藤健二を生贄に捧げます。だからどうか私だけはお助け下さい。お願いします」」」」」」」」」」
へ?そんな…
「ハッハッハッハッハ‼聞いたか小僧‼お前が生贄のようだぞ?実に愉快だ。残りのやつは帰っていいぞ」
そんな…佐々木さん、清水さん、佐津川くん、、、
「さてと、残りのやつかどこかえ帰ったし続きをやるか。もし俺に勝てたら開放してやる」
クソッここから出たら全員殺してやる。佐々木さん何が人格者だ笑わせる。他のみんなも絶対に許さない。
「ハァァァァァ‼‼」
「そんな大ぶりに降って当たるわけがないだろう。しかもお前が持っているのはナイフなんだぞ?わかっているのか?」
そんなの計算済みさ。ここで左からパンチを、、、
「強奪」
グチャ
え?なんだ?左腕のあたりがスースーする。そして何より超痛い‼‼‼‼‼‼なんだ?やばいなんだ!?
「ム?気づいていないかこの腕」
え?その腕って俺の…
「ギャーーー‼‼俺の左腕がーーーーーーー‼‼!」
「次は右だ。強奪」
グチャリ
くそ…まずい意識が朦朧とする。血が足りない。
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「コレで終いか、、、今回も骨のあるやつはいなっかたな」
グサッ
「ッ!?」
何だ?天井からナイフが、、、まさかあの小僧が…
「面白い…面白いぞ小僧!!!そんな貴様にプレゼントをやろうお前がその最弱から成り上がっていく様を見たくなった。たすけてやる。俺のスキルもくれてやる。その代わりお前の体を器にして憑依させろ。コレが貴様を助けてやる条件だ」
「分かった…じょう‥けん‥を‥のむ。だから助けてくれ…アイツラを見返すだけの…力を…く…れ」
「その契約しかと受け取った。この悪魔三王の一柱であり魔王でもあるメビウス・ヴァイデルの名にかけて果たしてやる。強奪付与リフレクション」
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ん?俺は何をしていたんだ?あれ確か謎の黒いモンスターが現れて、それでみんなにおいていかれて…
「許さない…絶対に殺してやる。今はまだ弱くてもいつかきっと殺してやる」
『その意気だぞ小僧』
お前は、、、なんで?
『よく聞け小僧。今俺はお前の肉体の中にいるそして俺のスキルを使えるようにしてやった。せいぜい復習に使うんだな』
なんでそんなによくしてくれるんだ?さっきまで殺し合っていたんだぞ?
『お前が倒れてから丸1日経っているかた、さっきではないがまぁいい』
おい待て‼俺が負けてから1日も経っているのか?
『そうだ。まぁそんなことは些事でしかない。そしてお前のさっきの問いに対する答えだ、面白そうだから』
は?何を言って?
『復讐をしたいんだろ?人間の復讐ほど面白いものはない。俺のスキルの力があり、お前は頭がいいらしいから頭脳もある、そして俺のスキルを使えば金も稼げる。すべてを手に入れたときのお前の復讐を俺に見せてくれ』
俺は慌てて自分の手の甲を見るとA+ランクと書いてあった。
『残念な事に俺のすべてのスペックは与えられなかった。だが今はその程度で十分だろう』
こんな事もできるなんて…
俺はこの悪魔に改めて恐怖を覚えた
現時点でのスペック
佐藤健二18歳
身長175cm
体重68㎏
スキル
強奪A+
書かれているランク以下の対象の命、魔力、体の1部、心などを奪える。
スキルも強奪とコピーができる。
相手が戦闘不能状態なら強奪またはコピーができる。
しかし、2つ以上ランクが下のなら強奪を無条件で、1つ以上ランクが下だったらコピーを無条件で発動することができる。
解析E
書かれているランクのモンスターの能力が分かる。
多重複世界
魔王メビウスの能力で神の権限を持っている。
一時的に自分の世界を想像し対象を閉じ込める。その世界は自分が想像した世界だから好きな効果が発揮される。(一方的すぎる事はできない)
一度使うと別のスキルに変わってしまう。例(鈴木亮の場合)︰多重複結界→多重複結界︰接触の世界
鈴木亮は触れたもの(生物を除く)を魔力を流すことで操ることができるため、触れなくても操れるようにした世界。内側から血を操ったりできる。(臓器は流石に無理)
のように自分だけの世界を作れるが、健二はまだ使えない。