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第47話 君と呼び方

 カラオケに行った次の日の日曜日。


 徹人、明宏、太一の3人は静夜の部屋へと遊びに来ていた。

 因みに陽太は毎度の事ながら仕事で留守にしていた。


「今日何して遊ぶ?」

「前回スマブ◯やったし、今日は桃◯でもやるか?」

「おーいいぜ」


 各々がswi◯chを取り出すと、急に部屋の扉が開いた。


「静夜ー! 助けてくれ!

 この数式が全く分からん!!」

「静夜俺の方先に教えてくれ!

 この文章がさっぱり理解出来ん!!」


 そう叫びながら読者モデルの田中空(たなかそら)とアイドルの中村蓮(なかむられん)が入って来た。


「うお!? 何!?」

「って田中空に中村蓮!?

 本物!? やばっ!」

「すげー、かっけー!」


 急な2人の芸能人の来訪に明宏と太一と徹人は驚きながら空と蓮を凝視する。


「あれ? 静夜もしかして友達と遊んでる途中だった?」

「え!? 俺達が忙しくて中々遊べなくなったからって、もう新しい友達作ったのか?

 浮気か〜? このこの〜」


 ニヤニヤ笑いながら静夜にウザ絡みする蓮に静夜はため息をつきながら答えた。


「はあ、何が浮気だよ。こっちはクラスの友達」


 静夜がそう答えると、徹人が大声で尋ねてきた。


「え!? 東この2人と友達なのか!?」

「まあ、みんな同い年で陽太繋がりで知り合って、そっからたまに4人で遊んでたり各々で遊んだりって感じ」


 そう淡々と答える静夜に明宏と太一と徹人は静夜を超人でも見るかの様な目で見た。


「マジかよ? 芸能人の友達とかやべー!」

「身内も友達も芸能人とかすげーな!」

「東すげー!」


「いや別に俺は何も凄くないけど」


 そう答える静夜に空と蓮はいやいやと首を横に振る。


「陽太もまあまあ勉強出来る方だけどお前はレベチだろ?」

「運動も出来て勉強も出来る奴が何言ってんだよ?」


 イケメン2人にそう言われて静夜はひがむ様に答えた。


「お前らと並ぶと何か俺だけ場違い感半端ないだろ」


 そう答える静夜を蓮はぐいっと引っ張って静夜の長い前髪を引っ張った。


「いだっ!? おい蓮やめろよ!」

「そのうざってー前髪切ればお前もそこそこ顔はイケてる方だろ。

 さっさとお前もこっち側の世界に来いよなー」


 蓮に勧誘された静夜は全力で首と手を横に振って拒否した。


「絶対嫌だ! つーか俺が芸能人とかなれる訳ないだろ!?」


 拒否ってる静夜の横から空も口を出す。


「えー? お前なら俳優とかなれると思うけどな」


「東、芸能界入るなら先にサインくれよ!」

「あ、確かに。東が売れたらそれだけ金になるしな」

「東ー、サイン俺にもくれ」


 そして3人の会話を横から聞いていた徹人と明宏と太一もそれぞれからかい半分にサインを求め出した。


「だからならねーっての!」


 話に乗ってくる3人に静夜は突っ込む。


「君ら静夜の友達なんだっけ?

 面白いなー! あ、俺田中空、よろしくな!」

「俺は中村蓮。

 みんなよろ〜」


 今更ながら自己紹介する空と蓮に3人は恐縮しつつも自己紹介を始めた。


「いやあそれはもう存じ上げてます。

 俺は山本明宏です」

「俺鈴木徹人でーす!」

「俺は渡辺太一っす」


 かしこまって話す3人に空と蓮は笑って話す。


「あはは! 俺ら別にタメだしそんなかしこまらんでもいーよ!」

「そーそー、俺の事も蓮って呼んでいいから」


 そう言われて太一は恐る恐る口を開いた。


「そう言われても……少し前に友達になった東ですら苗字呼びなのにいきなり名前呼びはちょっとなー」


 それを聞いて蓮は驚く。


「マジ? 俺ガキの頃から今まで苗字で呼ばれた事ねーや」

「中村より蓮の方が呼びやすいからなー。

 俺も田中って苗字被り過ぎて空ってしか呼ばれた事ない。あ、一部ファンには「くーちゃん」とか言われてるけど」


 そう答えるイケメン2人に他の男子も各々答える。


「俺中学までは「てっちゃん」って呼ばれてた!」

「あ、俺も「たっちゃん」って呼ばれてたな」

「俺はアキって呼ぶやつもいたな。山本呼びもいたけど。

 つーか呼び方の話とか今更たけどさ、確かに東って双子だしちょっと東陽太と紛らわしいよな」


 明宏に言われて静夜も頷く。


「まあ陽太と区別する為に俺も下の名前で呼ばれる事が多かったな。一部には東弟とか言われてたけど」

「えー、何か東弟とか言いづらいし悲しくね?

 あ、じゃあ俺これから静夜って呼ぶわ!」

「まあ俺は何でもいいよ」


 静夜が徹人にそう答えると、他も各々お互いをどう呼ぶか話し出した。


「それじゃ俺も静夜って呼ぶわ。

 そんで鈴木がてっちゃん渡辺がたっちゃん……何か紛らわしいな。渡辺は太一で良くね?」

「俺も何でも構わないぞ。そんで山本はアキ……あ、この呼び方俺やめていい?」


 太一の言葉に明宏が尋ねる。


「何だよ?

 アキは誰か知り合いでもいるのか?」

「いや、早川家を思い出して悲しくなる」

「漫画じゃねーか。

 まあ別に俺は山本呼びでも慣れてるからいいけど」

「でも山本は長いから逆をとってヒロで良いんじゃね?」


 太一の提案にみんなも乗っかった。


「いいなヒロ」

「おー分かったぞヒロ!」

「俺ヒロって初めて呼ばれたわ慣れねーな」


 明宏が不服そうに言うが、しかしもうみんな直す気はなかった。


「おーみんなそれぞれ呼び方が決まって良かったな! それじゃあ静夜、数学教えてくれ!」

「俺は国語」


 男子達が呼び方を決めたところで空と蓮は教科書片手に静夜へと呼びかけた。


「お前らさ……それぞれ理系と文系ならお互いで苦手なとこ教えあえば良いだろ?」


 静夜に言われるが空と蓮はお互い指差しあいながら答える。


「「だってこいつめっちゃ馬鹿だし」」


「お互い様だろ」


 こうして静夜は明宏、太一、徹人と桃◯片手に空と蓮に勉強を教える事になったとさ。


「静夜ー、お前にボンビーつけといたから」

「は? ヒロお前ふざけんなよ」

「やっぱそれ慣れねーな……。

 呼び方変えねーか?」


 明宏は未だにヒロ呼びが不服だったが、誰も変える気はなかった。




 それから月曜日。


「静夜ー、おはよー!」

「おはようてっちゃん」

「おーす太一」

「おはよーヒロ」

「やっぱその呼び方何か嫌だな」


 男子達がそれぞれ名前で呼び合っているのを遠くの席から遥が羨ましそうに眺めていた。


「いいなー私も東くん名前呼びしてみたい……」


 遥がそう嘆いていると、隣の席に戻って来た徹人が声をかけた。


「葵さん静夜に聞いてみれば?

 あ、俺の事もてっちゃんって呼んでもいいぞ!」


「てっちゃんさん……分かった!

 東くんに聞いてみる!」


 それから遥は意を決して静夜に声をかけた。


「東くん!」


「何? 葵さん」


 急な遥の呼びかけに慣れてきた静夜は驚く事なく淡々と遥に問いかける。


「私も名前呼びしちゃダメでしょうか!?

 いや勿論東くんが嫌ならもう2度とこんな事聞きませんあくまでダメ元なので全然断るならいいんですけど希望を伝えたい次第でして……」

「それくらいなら構わないけど」

「そうですよねやっぱりダメ……え!?

 い、いいの!?」


 あっさりと了承する静夜に逆に遥は驚いた。


「東くん本当にいいの!?

 そんなカレカノの様な事していいの!?」


「名前呼びってだけでそんなカレカノとか俺は別に思わないけどな。

 ……それに俺は葵さんの事下で呼ぶ気はないけど」


 そう述べる静夜に遥は満面の笑みで答えた。


「いやいや全然私はそんな多くは望まないよ!!

 むしろ東くんを下の名前で呼んでいいだなんて至極恐悦(しごくきょうえつ)の限りだよ!!

 そ、それじゃあ早速名前で呼んでいい!?」


 興奮気味に話す遥とは対照的に静夜は冷静に返す。


「別にどうぞ」


「じゃ、じゃあせ……せ、せっ」


 顔を赤くしながらそう話す遥に周囲で聞いていた男子は何とも言えない気持ちになっていた。


(そこで止めないでさっさと呼ぶなら呼んでくれ……!)


 静夜は初めて自分の名前に罪悪感を抱いていた。


「せ、静夜、くん……きゃー! 名前で呼んじゃった!♡

 じゃ、じゃあこれからせ、静夜くん♡って呼ぶね!

 じゃあ東くんまたね!」


「あ、うん(結局最後苗字に戻ってる……)」


 こうして遥も無事静夜の名前を呼ぶ権利が得られたのであった。

男子達を名前呼びにさせたのは苗字呼びだと誰が誰か私が分かり辛かったから無理矢理返させました。

ちょっと不自然な流れですが生暖かい目でお許し下さい。

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