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第36話 君と連絡

 一方陽太と静夜は土岐駅へとやって来た。


「よう久しぶりー」

「おひさー」


 先に土岐駅に来ていた健と雅哉が静夜と陽太に声をかける。


「「おー久しぶりー」」


 静夜と陽太の台詞が被ると、健と雅哉がそれに対して笑い始めた。


「お前ら相変わらずハモってんなー」

「流石双子」

「うるせー、仕方ないだろ」


 2人のいじりに静夜が言い返す中、陽太が気にせず話を進めた。


「とりあえず電車乗ろうぜ」

「おう」


 それから4人は名古屋行きの電車に乗り込み、健が陽太と静夜に声をかけた。


「なあなあ聞けよ2人とも。雅哉の奴、愛ちゃんと付き合い出したんだよ」


 健の言葉に陽太と静夜が即座に反応した。


「「やっと付き合いだしたのか」」


 2人揃ってそう発言すると、健が満足そうに雅哉へと声をかける。


「なあ? やっぱりこの反応だったろ?」

「やっとって何だよやっとって!

 こっちは告る時めっちゃ緊張してたのによー!」


 雅哉が2人に怒っていると、陽太と静夜がそれぞれ話し出した。


「おめでたいけど、ぶっちゃけお前ら誰がどう見ても両想いだったし」

「さっさとくっつけよって思ってた」


「もう少し驚いたりとかしてくれよなお前らはよお!」


 そんな冷めた態度の2人に雅哉が悪態ついてると、横から健が声をかけた。


「そんでもってさ、こいつら4月から付き合いだしたくせに、逆に意識しすぎてまだデートも行けてないんだぜ?」


「はあ、マジかよ?」


 健の言葉に静夜が聞き返す。


「いや、お互い部活とかで忙しくてタイミング合わなかっただけで!」

「とか言いつつゴールデンウィークも誘えなかったくせにー」

「うるせー健!」


 そう2人が話してる最中に横から陽太が口を挟んだ。


「そういやこっちはさ、静夜と良い雰囲気の女の子がいるんだよ。なあ静夜?」


「!!?」


 陽太の発言に静夜含む男子3人が驚いた。


「陽太何言ってんだよっ!?」


「はあ!? 静夜マジかよ!」

「誰誰!? どんな子!?」


 静夜が陽太に怒る中、他2人は興味津々に質問し出した。


「めっちゃ可愛い子でさ~。

 静夜友達なんだろ?

 写真とかないの?」


 陽太に聞かれて静夜は首を横に振る。


「ある訳ないだろ!」


 静夜の答えに一同がっかりする。


「何だよないのかよ~」

「今度撮ってこいよ」

「そんでグループLINEに載せろ」

「嫌だよ」


 男子達の意見を静夜は即座に却下した。


「ええー見たかったなぁ」

「お前ら双子の恋愛話とか聞いた事ねーしな」


 健と雅哉にそう言われて陽太は笑って返す。


「俺事務所的に無理だからさ~」

「芸能人って大変だな~。

 でも陽太も好きな奴くらいはいねーの?」


 雅哉に聞かれて陽太は笑顔で答える。


「いないよ」

「でも芸能科なら可愛い子いっぱい居るんだろ?」

「大橋瑠奈も小鳥遊学園じゃなかったっけ? 主席取ったってやつ」

「あれすげーよな。芸能科初の快挙とか言われてたし。

 静夜ですら負けたんだもんなー」


 健の言葉に陽太が嫌味の様に返事をした。


「こいつ主席取りたくなくて試験手抜いてたって」

「マジかよやばっ」

「お前相変わらずそういう……」


 男子2人に引かれた静夜は特に気にせず口を開く。


「別に主席取りたくなかっただけで、試験はちゃんと合格したし良いだろ?」

「て事はあれか? 静夜が今でも学年1位なん?」


 雅哉に聞かれて静夜は首を振った。


「いや、学年1位は同じクラスの女子」

「マジかー、静夜ですら負けるってやっぱ東京って凄いんだなー」

「授業もレベル高いん?」


 それぞれがお互いに学校の事や近況を報告していたら、電車が名古屋駅へと到着した。


「お昼どこにする?」

「お前ら決めろよ。俺と雅哉はともかくお前らは中々来れないんだしさ」


 健が陽太と静夜に向かってそう提案すると、静夜と陽太がそれぞれ口を開いた。


「俺達で決めていいのか?」

「じゃあ久々に矢場と◯とか?」

「おーいいぜ。地下だっけ?」

「確かそうだったはず。降りるか」


 陽太の提案に賛成した男子達は地下街に向かって歩き出した。


「あ、そうだ。陽太、どうせならみんなへのお土産も帰りに買ってかね?」

「そうだな、帰る日に買うのも面倒だし」


 静夜にそう言われて陽太も賛成した。


(みんなにどんなお土産が良いか聞いてみるか……)


 それから静夜は携帯を取り出してLINEを打ち始めた。





 一方遥はまだユウの部屋に居座り続けていた。


「はあ暇ですなーユウちゃーん」


 遥は携帯とにらめっこしながらそう呟く。


「お前いつまでスマホにへばりついてんの?」


 ユウに問われて遥は真剣な表情で答えた。


「こうやってスマホに念を送っていれば東くんの方から連絡が来るかもしれないと思って」


「そんなアホな事ある訳……」


 ユウが突っ込んでいる最中に、遥の携帯に静夜から連絡が来た。


「きゃー本当に来たよユウちゃん!!

 私の想いが東くんにも通じたよ!!

 お土産何が良いかって!!

 私だけみんなと違って特別にって事かな!?」


 そう携帯を持って騒ぐ遥をよそにユウは驚きつつも冷静に話す。


「マジか、なんつータイミング……。

 というか私の方にも来てるけど」


「え!? わ、私だけじゃないの!?」


 慌てる遥にユウは冷静に突っ込んだ。


「お前ちゃんとLINE開いて確認してみろ」


「え? うん」


 ユウに言われて遥が携帯を開きLINEを見ると、静夜は「勉強会」のグループLINEに送っていた。


 静夜「今名古屋駅来てるけど、お土産何かリクエストあったら教えて」


 そんな静夜にいち早く徹人が返事をしていた。


 徹人「赤福!」


 静夜「期限短いから無理」


 徹人「じゃあ何か美味いやつ!」


 太一「味噌煮込みうどん食べてみたい」


 明宏「じゃあ俺えび煎餅」


 静夜「オッケー」



 グループLINEで男子達が盛り上がる中、遥はそれを残念そうに眺めていた。


「てっきり私にだけ特別にLINEしてくれたのかと思ったのに……」

「わざわざリクエスト聞いてくれるなんて優しいじゃん、私達も何か答えるか」


 そう言ってユウはLINEを打ち返した。

 ユウが返事を打つのを見て遥もLINEを打ち始める。


 ユウ「小倉トーストのお菓子」


 遥「私しるこサンド!」


 静夜「分かった」


 ユウと遥の返事に静夜は短く返事をした。


 因みにハルはバイト中の為1人LINEに気付けなかった。


「お前しるこサンドって……ちい◯わの影響か?」


 ユウに聞かれて遥は静かに頷く。


「うん……ちょっと気になっちゃって。


 そんな事より! グループLINEとは言え東くんと1日でもやり取り出来て良かったー!」

「おう良かったな。満足したなら帰れ」


 満足気な遥を冷たくあしらうユウなのであった。


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