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第35話 君と地元

 連休2日目の午前中。


「ふぁー……ただいまー」


 欠伸しながら陽太が岐阜の実家へと帰って来た。


「おかえりー疲れたでしょ?

 部屋入る前に手洗いうがいちゃんとしなさいよー?」

「はいはい」


 陽太は荷物を居間に置いて洗面台でパパッと手洗いうがいを済ませると、早速戸棚からポテチを取り出した。


「おー陽太おかえりー」

「ただいまー」


 居間のソファに座っていた静夜が陽太に声をかけると、陽太は向かいのソファに座ってポテチを開けだした。


「母さん先ポテチ食べちゃうね」

「だーかーらー何であんた達は家に帰るなりすぐお菓子を食べ出すの!」


 ポテチを食べ始めた陽太に母親はすぐに注意した。


「朝一で出たから朝飯食ってなくて腹減ってんだもん良いじゃん別にー」


 陽太はそんな母親に悪びれる事なく答える。


 一方陽太はポテチを食べていない方の手で携帯を取り出してLINEを打ち始めた。


 陽太「家着いたー」


 健「おっけ、待ち合わせ土岐(とき)駅でいいか?」


 雅哉「いいよー」


 静夜「オッケー」


 陽太「こっちも準備したら行くわー」


 

 LINEを打ち終わった陽太に静夜が声をかける。


「帰ってきてすぐだけど疲れてないのか?」

「へーきへーき。仕事ハシゴするより全然よゆー」


 そう言って陽太はポテチをさっさと食べ終えて母親に声をかけた。


「母さん俺と静夜後もう少ししたら出るから」

「え? もう出るの?

 出てく前にそこの荷物部屋に持ってってよ。

 後おばあちゃんにも挨拶してきなさい」


「分かったよ」


 それから陽太は手を洗いに行ったついでに祖母の部屋へと入った。


「おばあちゃんただいまー」


「おお、陽太も帰って来たか。

 えらかったろう? ほれお小遣い」

「サンキューばあちゃん」


 そう言って祖母が用意していた1万円札を陽太が笑顔で受け取ろうとしたのだが……。


「もう! またすぐお金渡そうとして!」


 やはり案の定母親に止められてしまった。


「えー、母さんこれから俺達名駅(めいえき)に遊びに行くから貰っちゃ駄目?」


 陽太の質問に母親は怒りながら答える。


「昨日静夜にも言ったけど、お小遣いまだ残ってるでしょ?

 なくなったらあげるから、今は駄目です!」

「昨日の母さんと静夜のやり取りなんて俺知らんけど?」

「とにかく駄目なものは駄目」

「ちぇー」


 お金を受け取れなかった陽太は不満に思いつつも荷物を部屋に持って行きそこから今日必要な荷物をまとめてすぐさま居間に戻ってきた。


「準備出来た、行こうぜ静夜!」

「おー。母さん行ってきます」

「行ってきまーす」


「はいはい行ってらっしゃい!

 夕飯唐揚げだからそれまでには帰ってきなさいよー」


 ドタバタと出て行く陽太と静夜の背中に母親が声をかけると2人揃って返事をした。


「「はーい」」


 その後、陽太と静夜が出て行った後静かになった部屋で母親は小さく呟く。


「はあ全く。居ないのは寂しいけど帰って来ると相変わらずそそっかしいんだから」


 それから母親は2人が居ない今のうちにと掃除を始めた。




 一方遥は、相も変わらずユウの部屋へと押しかけていた。


「はあ……」


「お前急に人の部屋に押しかけてきてさっきからため息ばっかりでうざいんだが?」


 ユウに指摘されるが、遥はユウのベッドに座り込み項垂れている。


「うぅ……東くん成分が足りない……」

「知らねーよ。お前そんなんでこれから夏休みとかどう過ごすんだよ」


 ユウに言われて遥は絶望で顔を歪めた。


「夏休みだなんてそんな1ヶ月以上も会えない日が続くだなんて……私はどうやって生きていけばいいの……?」


「普通に生きていけば良いだろ」


 投げやりに答えるユウに遥は泣きついた。


「私にとって東くんに会えないのは生死を彷徨う程の死活問題なんだよ!?

 そんな適当に答えないでもっと真面目に考えてよ!!」

「ならさっさと告って付き合えばいいだろ」


 ユウの言葉に遥は顔を赤らめる。


「いや……告白はちょっと心の準備が……私東くんに面と向かって好きとか恥ずかしくて言えないし」

「この前公開告白しといて何を今更」


 照れてる遥にユウはバッサリと言い切った。


「いやいや! あれは告白じゃないから! 間違えただけで!」


 思いっきり否定する遥にユウはため息をつく。


「はぁ……まあ告白うんぬんはさて置き、別に友達として連絡くらいはしても良いんじゃねーの?」


 ユウの問いに遥は真顔で答えた。


「まあそれも考えたんだけどさ……何か今日は東くんこれから地元の友達と遊びに行ってたりしてないかなとか考えたら、私が連絡するの邪魔じゃないかなーって思っちゃって」


「何だその妙にリアルな推測は」


 遥の言葉にユウは突っ込んだ。


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