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第29話 君と別に過ごす休日

「はぁ~~暇だよ~~……。

 ひぃーーまぁーー」


 ゴールデンウィーク初日、遥は自室のベッドでごろごろと寝転がっていた。


「なーーんもする事なーーい……。



 よし!」


 そして遥は何かを決意した様にスクッと立ち上がる。


「こんな時はユウちゃんの家にでも行ってみよう!」


 それから遥はユウの家へと向かうべく身支度を始めた。


 一方静夜はと言うと、明宏に誘われて明宏、太一、徹人と4人でマ◯ドナルドに来ていた。


「ちょうど今やってるゲームがマッ◯でコラボっててさ」

「山本って色んなゲームやってるよなー」


 明宏が携帯でゲームをしているのを横で徹人が物珍しそうに眺めながら尋ねてきた。


「なんか流行ってるって聞くとついついやっちゃってさ、デイリーだけで2時間は余裕で溶けるんだよなぁ」

「いやそれはやり過ぎじゃね?」


 明宏の発言に静夜が静かに突っ込む。


「まあでも流石に面倒な時はやらねーけどな。基本エンジョイ勢だからさ。

 ガチランカーとか俺は無理」

「何のゲームにしろランカーはやべえからな」


 明宏の意見に太一がうんうんと頷く。


「そういや東ー、俺がこの前リクエストした刃渡2◯センチ出来たー?」


 徹人に尋ねられ徹人の向かいに座っていた静夜が返事をした。


「まあ一応形にはなったかな」

「マジ!? 聞かせて聞かせて!」

「後でな」


 わくわくと目を輝かせる徹人に対して太一が不思議そうに尋ねてきた。


「何何? 何の話?」

「東にマイ◯ラの音ブロックで刃渡2◯センチ作ってって頼んでたんよ」


 徹人の発言に明宏と太一が驚く。


「何つーもん頼んでんだよ」

「そしてそれをマジで作る東もやべぇ。

 つーか東も安請け合いが過ぎるだろ」


「エンド◯も倒して暇してたから丁度良いかなって思ってさ」


 太一の発言に平然と返す静夜を横目に、明宏が尋ねた。


「音ブロックの演奏ってそんな簡単なもんなの?」


 その質問に静夜ではなく太一が答えた。


「俺1回作り方解説見ながら見よう見まねで作ったけど、それ通りに作ればそれっぽいのは出来たぜ。

 でも解説無しで1からとかは無理」


「つまり天才の遊び方って訳か……」


 半ば呆れる様に静夜を見る太一と明宏に、話の流れを完全に無視して徹人が静夜に話しかけた。


「そう言えば東ってさ。

 葵さんとは付き合わんの?」


「!!??

 何言っ……ゲホッゴホッ」


 いきなりの徹人の突拍子もない質問に静夜は盛大に咽せた。


「ゲホッ……コーラ気管に入った……ゴホッ」


 咳き込んでる静夜に太一が静かに声をかける。


「それはどんまい。

 そんで? 実際どうなんだ?」


「ゴホッ……この状況で……ケホッゲホッ……はぁ、よく話続けられるな……」


 静夜が未だに咳き込んでる中、更に明宏も追撃を始めた。


「いやまあぶっちゃけ今日はそれを聞きたくて集まったって言うのもあるんだよ」

「はあ? ゴホッ……はぁ、はぁ、そんなん聞いてないぞ……」

 

 何とか水を飲んで落ち着いてきた静夜は3人の発言に驚きながらも口を開いた。


「……あー、やっと落ち着いてきた……。

 死ぬかと思った……。

 ってか、何で急に俺と葵さんが付き合うとかそんな話が出てくんだよ?」


 静夜の問いに徹人が答える。


「いやどう見ても葵さん絶対東の事好きじゃん」

「まあ、嫌われてはないけど、あれ好かれてるって言うより懐かれてるみたいなもんだろ? 恋愛としてじゃなくて何かこう話しやすいから話してるみたいな」


 そう発言する静夜に明宏と太一がきっぱりと突っ込んだ。


「はぁ? お前何ラノベの鈍感主人公みたいな事言ってんだよ?

 誰の目から見てもあれは絶対お前の事好きな態度だろ。100パー脈ありだろ」

「勉強会の時も学食行った時も葵さんお前とずーっと喋ってたじゃん。

 むしろあそこまでして逆に好きじゃないとか言い出したらギャグだろ本当」


 それを聞いて静夜は顔をしかめる。


「いやでも葵さんと知り合ってまだ1ヶ月も経ってないのに、何で好かれてるのか分からんし」


「そんな何でとか理屈はどうでも良いんだよ。

 俺達が聞きたいのは要するに、「クラス1可愛い女の子」に好かれる気分はどうだ? って事が聞きたいんだよ」


 静夜の発言に太一がキレながら答える。


「そんで実際どうなのよ?

 モテモテの子から好かれる気分とやらは」


 更に明宏がニヤニヤしながら尋ねてきた。


 それに対して静夜は狼狽えつつも本心を喋った。


「あーー……

 

 まあぶっちゃけ、悪い気分ではない、な」


「まあそうだろうな!!

 可愛い女の子に好かれて嫌な訳ないよな!!」


 そんな静夜の返答に羨ましがる様に太一は叫ぶ。


「渡辺うるさいぞー。

 そんで東、結局付き合うの?

 あ、因みに他の男子達にももう既に葵さんがお前の事好きな事知れ渡ってるから」


「はぁ!? 知れ渡ってるって何で!?」


 明宏の爆弾発言に静夜が驚きながら質問した。


「何でって、そりゃあ葵さんにアタックしてた連中だって葵さんが明らかに東しか眼中にないの見てりゃ分かるしな」

「まああんだけ分かりやすかったら、もう公開告白みたいなもんだよな」


 静夜の問いに明宏と太一はさも当たり前の様に答える。


「そんでー? 東は葵さんに告ったりしないの?」


 更に無邪気に尋ねてくる徹人に、静夜は苦い顔をした。


「いや、別に告白とかする気はない」

「何だよ告られ待ちかよ」

「ちげーよ。

 そもそも知り合って1ヶ月で付き合うとか考えられないというか」


 静夜の問いに太一は不貞腐れながら答える。


「マジ? 俺だったら秒でもオッケーするのに」

「流石に出会って秒で告白はヤバいだろ。

 とは言え東って意外と硬派な感じか?」


 明宏に訊かれて静夜は言葉を選びながら答えた。


「いや、そんなんじゃなくて……。

 葵さんってさ、たまに怖くないか?

 何か知れば知る程そう簡単に付き合ってはいけない人種というか……」


「あー……確かに」

「それはまあ」


 静夜の言葉に明宏と太一は納得した様に頷いた。


「え? そうか? 怖い?」


 一方徹人は鈍感だった。

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