表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/88

第20話 君と感想

 そして再び遥はと言うと。


「うーーん……あのデスボ以外あんまり歌声が聞こえないでござる……」

「まあカラオケボックスって本来防音されてるからね。

 ずっと隣の歌声が聞こえてくる方が可笑しいでしょ」


 ユウは歌の合間に突っ込んでいた。


「ユウちゃん歌うならもっと静かな曲にしてくれない?

 東くんの歌声が聞こえづらいから」

「お前カラオケを何だと思ってんだ」


 こうしてユウに怒られつつも遥もカラオケを楽しむ事にした。




 それからしばらく経った後、曲を歌い終えた後遥が立ち上がる。


「ユウちゃん、私ちょっと飲み物おかわりしてくる!」

「あ、ついでに私のもお願い。

 ウーロンね」

「はいはーい」


 遥がドリンクバーへ行こうとドアを開けると、ちょうど横の部屋から静夜も出て来た。


「あれ? 葵さん?」

「あっ、東くんっ!?」


 まさか遭遇すると思っていなかった遥は狼狽えながらも言い訳する様に早口で話し出した。


「えっとね! 別に東くん達がカラオケ行くって言うから来たんじゃなくてね!

 たまたまあの後ハルに誘われてね!」

「あ、そうなんだ……」

「それで今からドリンクバーに向かう次第だったのであります!」


 挙動不審の遥を不思議に思いつつも、静夜も口を開く。


「そっか、俺もちょうど飲み物取りに行こうと思ってたから、一緒に行く?」


 その静夜の声かけに、遥は満面の笑みで答えた。


「是非一緒にお供させて下さい!!」


(お供……?)


 静夜は不思議に思いつつも、特に触れはせずに遥と並んで歩き出した。


「え、えーとさ!

 あ、東くんって、普段どんなの歌うの!?」

「え? まあその時流行ってる奴とか、適当かな……」

「好きなアーティストとか居ないの!?」

「うーん、別にこれと言って誰とかはないかな……流行ってる奴を取り敢えず聞き流してるって程度で」


 遥が色々と質問している間に2人は備え付けのドリンクバーに着いた。


「えーと、それから……(何質問しよう? あーもう途中で鉢合わせる事考えてもっと質問頭に入れておけば良かった!!)」


 ドリンクバーで飲み物をコップに入れながらややテンパっている遥に対して今度は静夜の方から声をかける。


「あのさ」

「は、はい! 何でしょうか!?」


 勢いよく聞き返してくる遥にたじろぎつつも静夜は質問した。


「えっと、葵さん、もしかして放課後俺に何か話したい事あった?」


 予想外の質問に遥は声が思わず裏返ってしまった。


「ぅえっ!? な、何で急に!?」


「いや、ハンカチ返す為だけならわざわざ図書室一緒に行こうとか言わないかなって、後になって思ってさ。

 まあ俺の思い違いなら別に」「ぜ、全然思い違いじゃないよ!?

 むしろ話したい事あったの!」


 静夜の言葉に大声で食い気味に遥が答えてきた為、静夜は思わず驚いてジュースの入ったコップを落としそうになった。


「そ、そうなの?」

「うん……こ、こないだお勧めされた本……面白かったから、感想言おうと思ってて……」


 モジモジと顔を赤らめながら話す遥に静夜も思わず顔が赤くなる。


「あ、読んだんだ……面白いと思ってくれたなら良かった……」「うん! すっごく面白かったよ! 特に終盤の台詞が最初に出て来た台詞と一緒で正にここでその伏線回収かー! って感じだったし主人公の男の子の葛藤も見てて共感出来るしまたサブの人達もそれぞれキャラクターが立っていて、あ、私1番好きなのはまいちゃんなんだけど一途に主人公思ってるところが凄く素敵だなって思ってそれから」


「待って葵さん、分かった、分かったから一旦待って?」


 いきなり怒涛の勢いで本の感想を語り出した遥に圧倒されつつ、静夜は遥の暴走を止めに入った。


「--はっ!? ごめん東くん!

 私ったらつい語っちゃって!」


 飲み物を両手に謝ってくる遥に対して静夜はふふっと静かに笑った。


「そんなに喜んでくれたなら勧めた甲斐があったな」

「!? (笑ってる可愛いーー♡)

 うん! また是非他の本も勧めて!?」

「あー、それなら、今度家に帰った時に俺が持ってる本何冊か貸そうか?」

「ええ!? 東くんの私物借りてもいいのー!?」

「まあ、汚さなければ」

「絶対汚さない!

 衛生管理完璧に徹底するから!

 この前ののど飴もきちんと保管してあるよ!」

「いやそれは食べてくれって……」


 こうして2人は各々の部屋に戻り、楽しく歌って帰っていったとさ。


 因みにハルは遥とユウが帰った事にも気づかず学生ギリギリの時間まで1人で歌い続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ