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第13話 君と噂話

「2人とも~っ!

 おっはよ~っ!」


「おはよう遥……」

「おはよ~ルカちゃん……」


「「ってどうしたその怪我!?」」


 前回のあらすじ。


 遥は前頭葉を負傷した。


「えへへ~聞いてよ2人とも~!

 昨日私東くんと急接近しちゃった♡」


「いやまずは怪我の事を話してよ!」


 ハルが怪我の事を先に聞こうとするが、ユウが何かを察した。


「ハル、多分あの怪我は東と急接近というエピソードと関わりがあるパターンだ」

「いや普通好きな人と仲良くなるのに顔を怪我したりしないからね!?」

「ユウちゃんご明察~!

 さっすが私と付き合い長いだけあるね!」

「いや合ってるの!?

 怖いよ!?」


 それから遥は昨日の出来事を2人へと話した。


「うわぁ……東くん災難」

「可哀想に……」


 ドン引く2人に遥はしょんぼりする。


「うぅ……やっぱりいくらなんでも酷いよね……勝手に怪我してハンカチを借りて私の事背負わせてしまって……こんな事ならダイエットでもしておけば良かった……」

「いや反省すべきところはそこじゃないだろ」


 ユウの指摘に遥は反省しつつも答える。


「分かってるよー。流石に私でも壁に頭打ちつけてる女の人に遭遇したらめっちゃホラーだと思うもん」

「ちゃんと客観視は出来るんだ……。

 そこは偉いけど、治しなよそれ」


 ハルに褒められつつもアドバイスされるが、遥は開き直り気味に真顔で口を開く。


「治せてるなら私だってとっくの昔にリア充の仲間入りしてるよ。

 私について来れるのがユウちゃんとハルしかいないんだもん」

「いや私別にルカちゃんについて行けてないよ?」

「私も遥とハルについていってないぞ」

「ちょっとユウちゃん?

 何で私まで同類にされてるの?」


 ハルが突っかかるのをユウはまあまあとなだめつつ話を続けた。


「とりあえず遥はちゃんと東に謝っときなよ。

 諸々と」

「それは勿論!

 ちゃんとハンカチは洗ってもらったしお礼とお詫びのお菓子も……あれ?」


「……忘れてきちゃった!?

 どうしよう!?」


 忘れ物に気づきあわわと慌てるものの、もうすでに3人は学校の前までやって来ていた。


「くそっ! こうなったら遅刻覚悟で取りに帰るしか!!」

「いや明日で良いだろ別に」


 家へ取りに帰ろうと学校を背に走り出そうとした遥の制服の首根っこを掴みユウは平然と遥を学校へと引っ張っていく。


「い~や~だ~!

 今日渡したい! 早く東くんと話すきっかけが欲しい~!」

「お詫びとか言っときながら結局下心ありきじゃねーか。

 今日は取り敢えず謝罪だけして忘れた事伝えて明日渡せば良いだろ」

「はっ!? 確かにそれなら今日も明日も話す口実が出来るね!?

 ユウちゃん天才か!?」

「分かったならちゃんと自分で歩け」

「ウッス」


 遥はユウに言われてウキウキで歩き出す。

 そんな遥とユウのやり取りをハルはぼんやり眺めていた。


(ユウちゃん、ルカちゃんの扱いに慣れてるの流石だなぁ~)


 それから遥は元気良く教室へと入った。


「おっはよ……」「東ー、昨日葵さんおぶってたって本当か!?」

「!?」


 遥が教室に入ると同時に、1人の男子が静夜へと質問を投げかけた。


 そしてその質問と、遥の額の傷に教室はざわめきだした。


「えー? 何何どういう事?」

「東くんが葵さん運んでたって!

 なんか美術部の奴からLINE来てさ」

「えー何で?」

「てか葵さん怪我してね!?」

「マジじゃん、何があったの!?」


「あー、えっーと、これはね……」


 わたわたと遥が弁明しようとすると、横から静夜が口を開いた。


「目の前で葵さんが転んで怪我して立てなかったから保健室まで運んだだけだけど」


 静夜の回答に多数の男子生徒がほっとしており、女子達はつまらなさそうに見ていた。


「なーんだ、何もないんじゃん」

「まあ東が葵さんとはないよな!」

「東羨ましい……」

「葵さん怪我大丈夫? 痛くない?」

「あ、てめー抜け駆けすんな!

 葵さん、大丈夫だった?」


 そしてまた一部の男子達がいつもの様に遥の元へと集まり出した。


「えへへー。大丈夫だよ!

 心配してくれてありがとう!」


 ハキハキと元気に答える遥に男子達はメロメロになっていた。


 そんな様子を横目に静夜はやっぱり凄い人気だな……と感心していた。

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