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第10話 君と怪我

 一方ユウの席に逃げて来た遥はと言うと。


「ユウちゃん助けて!!

 心臓がもたない爆発しそう!!」

「落ち着けうるさいしがみつくな。

 声も態度も全部がうるさい」

「これは重症だね~」


 おいおい泣きつく遥にユウは辛辣に返し、ハルは遥の頭を撫でる。


「とりあえず普通に接しなよ。

 前まで普通に話してたじゃん」

「一度意識しちゃうと無理だよー!」

「まあ意識しちゃうと声かけれないって分かるな~。

 私ももし零様に会えたら声かけれないかも~」


 ハルが遥の意見に同意する中、ベランダ側の生徒達がざわつき始めた。


「……あれ、あの人零じゃない!?」

「うそ、本当に学校にいたんだ」

「やばっ! 声かけに行っちゃう?」


 一部の女子達が零が登校していると騒ぎを起こしていた。


「噂をしたら本当に来たよハル……ってもういない!?」

「ユウちゃん、もうハルベランダにいるよ」


 遥が指差すベランダの方を見ると、ハルがうちわを両手に持って叫んでいた。

 因みにうちわには片方は「零様♡」、もう片方には「愛してる♡」と書かれている。


「零様ーーーーーーーーっ!!

 愛してまーーーーーーーーすっ!!」


 ベランダに出て全力で叫んでいるハルにユウは呆れながら悪態をつく。


「あいつ言ってる事とやってる事違うじゃねーか」

「凄いなハル……私にもあのくらい勇気があれば……」

「いや、あれはあれでされても迷惑になるだけだからな?」


 そんなこんなで時は流れ放課後。


(意識しすぎて全然話せなかった!!)


 遥は壁に項垂れたポーズで反省しており、周囲を困惑させていた。


「ユウちゃん、あれ声かけた方がいいんじゃ……」

「いや、下手に手を出すと危ない。

 ほっとけば時間が解決するさ」

「そ、そうなの……?」


 実際何人かの生徒が声をかけたが遥は反応せず、困惑しつつもみんなそろそろと帰っていった。



 一方しばらく図書室で本を読んでいた静夜はと言うと--


(結局……渡せなかったな。


 むしろ今日は避けられてた様な気もする)


 コンビニ袋を持って寮へと帰ろうとしていた。


(あ……そういや教室に課題のプリント忘れてた)


 静夜がプリントを取りに教室に戻ると、他の人が帰った教室で遥はガンガンと頭を打ちつけていた。


「あ、葵さんっ!?

 何やってるの!?

 頭大丈夫!?」


「あ、東くん!?!?」


 静夜の声にすぐ様反応して遥はそちらへ振り返る。


 壁にぶつけていた遥の額は真っ赤に腫れ上がっていた。


「東くん違うのこれには訳があってくぁwせdrftgyふじこlp!!」

「って真っ赤じゃん!?

 うわ血も出てきてないっ!?

 ち、ちょっと待ってて!!」


 声にならない声をあげている遥を置いて静夜は一旦教室を出た後すぐ様戻って来た。


 そしてしゃがみ込んで右往左往している遥の横に座り、遥の額に水で冷やしたハンカチをつける。


「うわっぷ!

 し、染みる~!」

「そりゃあ血が出てるからね。

 我慢して」

「うぅ……はいぃ~」


 静夜は遥の額にハンカチをつけたまま、呆れた様に口を開いた。


「本当何やってるんだよ……。

 まあ何があったのかとか聞く気はないけど、もっと自分を大切にしなよ……」

「うぅ……かたじけない……」


 遥はじんじんと痛む額の痛みに涙を堪えつつも静夜に謝った。


「分かってくれれば良いんだけど……。

 あ、血止まってきたか?

 葵さん、自分でおでこ押さえられる?」

「う、うん……」

「立てそ?」

「たてる……」


 頭の血が抜けたせいかいつもより思考力の落ちた遥は暴走する事なく素直に静夜の言う通り立ち上がった。


「じゃあ保健室行こう。

 一応俺も付き添うから」

「あ、ありがとう……。



 ……ッ!」


 しかし、歩こうとした瞬間ズキズキと額が痛み遥はよろついてしまう。


「あ、危な--っ」


 そんな遥を静夜はなんとか抱き止めた。


(……あ、私今東くんの胸の中にいる……。


 ……わが生涯に一片の悔いなし!!)


 そこで遥は力尽きて気絶してしまった。


「えっ、葵さん!?

 あおいさーーんっ!?」


 その後、保健室にて。


「えーと、何があったのか説明してくれる?」

「俺が説明を聞きたいくらいです……」


 静夜は気絶した遥を背負い保健室へとやって来た。

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