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拘り

作者: 西順

 納豆とは中々に奥の深い食べ物じゃないだろうか?


 栄養があるからと食す事を推奨されるも、その臭い、食感、味で人を選ぶ。食べ合わせも様々で、混ぜ方や食し方に拘りのある御人も少なくないだろう。


 かく言う私もその一人。と言えば格好が付くだろうが、私には納豆に思い入れなどはなく、スーパーへと買いに出掛けた際に、他の食材と一緒に買って帰るのが習慣化しているに過ぎない。


 食べ方だって特に変わっている訳で無い。まずパックを開けて小鉢に移す。そのままかき混ぜるなどNGだ。パックでかき混ぜたせいで、パックに穴が空いて酷い目にあった御人も少なくなかろう。納豆は小鉢に移してからかき混ぜる。このひと手間は大事である。


 混ぜるにしても専用の混ぜ棒があればベストなのだが、無い家庭も少なくないだろう。私は箸で混ぜる事を否定はしない。混ぜ棒を使えば、より空気が含まれて、出来上がりがふわふわになるとだけ伝えておこう。


 そして肝心の混ぜ方は千差万別なのだが、回数を多く混ぜる方が納豆菌が増えるとか、栄養成分に変化が起きて健康に良いとかは無いので、何なら混ぜなくても良い。


 ここに私の混ぜ方を記載するならば、まず醤油も何も掛けずに50回かき混ぜたら、付属のタレではなく、納豆専用醤油をひと回し垂らし、また50回かき混ぜ、最後にも専用醤油を数滴垂らし、あとはかき混ぜないのが私の流儀だ。


 これは多くかき混ぜる事で納豆の糸が多く出て、それが空気と合わさる事でふわふわの食感になるのでオススメである。醤油も付属のタレではなく納豆専用醤油が売っているので、一度試してみると良いだろう。


 納豆と言うと、様々な食べ合わせがあるのも魅力の一つだろう。王道のネギも長ネギに小口ネギ、九条ネギと様々。キムチも良い。山芋やオクラと言ったネバネバコンビも有りだ。トマトにチーズにアボカドなんかも美味しいので試して欲しい所である。


 食べ合わせで言うなら生卵も含むべきだと言う御人もいるだろう。私も好む食べ合わせなので否定はしない。が、黄身だけに留めるべきだと進言する。卵の白身にはアビジンと言う成分が含まれているのだが、これが納豆に含まれるビオチンの吸収を妨げるのだ。


 ビオチンはビタミンB群の1種で、皮膚や粘膜、髪、爪を健康的に保つのに必要な栄養素だ。普通に生活していればこれが不足する事態にはならないが、生の卵白を食べ過ぎると、吸収が阻害されるので注意が必要だろう。


 そして載せるご飯はあまり熱くないのが良い。ご飯は熱々が美味しいんじゃないか。それは否定しない。しかし納豆に含まれるナットウキナーゼは熱に弱く、50℃を超えると活性が鈍くなり、70℃を超えると死滅すると言われている。あくまでメインは味だと言うのでなければ、高温調理は避けるべき食材だ。


 さて食べる段となると、どう食べるか? これも意見の分かれる所だ。つまり、ご飯と混ぜるか混ぜないか問題である。


 女性としては上品に混ぜずに食したい所だろうが、男である私は大胆に混ぜる派だ。納豆とご飯を一対一でぐっちゃぐちゃにかき混ぜて、それをこれまた大胆に大口開けてかき込むのが、納豆の一番美味しい食べ方であり、食べられる納豆に対する礼儀だと私は考えている。異論は認める。が、一度試して欲しい。口の中が幸福感で満たされるから。


 全く、納豆も罪な食べ物だ。それ程関心の無い私にさえ、これだけ喋らせるのだから。


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