表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/31

* ワタシノセカイ


 緩くウェーブがかかった、ふわふわとした桜色に

 アイスブルーな瞳が可憐な、庇護欲を(そそ)る美少女。


「や…、やったぁ!!!」


 頬にぺたぺたと触れ、夢か(うつつ)かを確認し続けていた。かれこれ 30分は経っている。


「ちょっと、!!私って誰!名前は!!」


 壁際に立っているメイド(?)に声をかければ、首を傾げつつ、答えてくれた。


「エマ様は、先日 フォスター男爵家に養子となられました由緒正しき、男爵令嬢にございます」

「エマ…、フォスター」


 復唱すること、3回。嬉しさで、部屋中を駆け巡った。間違いない、異世界転生だ。


 前世で、絶大な人気を誇っていた乙女ゲーム

【一瞬の永遠を、キミと 〜 聖なる魔法と恋人達(ラバーズ)〜】


 光属性魔法を発現させたヒロインが、王立学園を舞台に、攻略対象者達と恋に落ち……きゃぁぁ///


 金髪・緑眼なクーデレ【ルカス・トーリ】

 赤髪・赤眼、不器用な【ディルク・オスト】

 黒髪・金眼なツンデレ【ルーク・ローレン】


 そして!!

 完全無欠な第一王子【シオン・アルフォンス】

 さらさらと輝く銀髪に、冷酷さを纏う碧眼。


 …彼が大好きだった。


 クリアすれば、リセットして、制作会社がグッズを展開すれば、無限に回収して、イベントが企画されれば、睡眠時間を削って、没頭した。


 初日は有給取って、攻略したなぁ…


「……シオン、様…///」


 ぽぅっと妄想に耽っていると、コンコンッと扉が叩かれ、ふっくらとした男性が現れた。


 彼が、私を引き取った男爵ね


「エマよ、夜会で着るドレスは決まったか」

「はい!」

「そうか。ソフィア、エマを夜会一可愛い子に」

「承知致しました、旦那様」


 頬を緩ませ、頷いた後、男爵は部屋を出て行った。



 侍女が、ドレスを用意する為、ウォークインクローゼットに向かう。


 窓に視線を移せば、薄暗くなった空が

刻々と“ 出会い(オープニング) ”が近付いていることを告げていた。


 正真正銘、私がヒロインな世界。



「……待っててね、シオン様 //」





読んで頂き、ありがとうございます

良ければ、評価・ブックマーク等を宜しくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ