表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/23

9話

翌日11月28日。

「昨日のアイツを何としてもメンバーにするぞー!」

美佳はやる気満々だ。

「そうね。あの人は押せばイけるタイプの子だわ。」

「そんなに無理やり誘わなくても…」

「何言ってるの恵!30日までには5人メンバー集めてないといけないんだよ!?下手に人や場所を変えたりするより、目の前のオチそうな人を口説いた方が確率高いよ!」

「凛はちょっと口に気を付けた方がいいぞ…まあ確かに、凛の言ってることもあながち間違っちゃいないけどね。」

まだ朝の6時だというのにとても元気だ。

そこへ昨日現れた人物が走って来た。服装から、早朝トレーニングをしている様子だ。

「あー!」

「あ!昨日の!」

「どうも…」

「昨日はどうして逃げたりしたの?」

凛は不思議そうに言った。

「その…昨日はごめんなさい。パニックになってしまって…」

「ううん、アタシこそ怒鳴ったりしてごめん。」

「あの後も考えたんですけど、やっぱりアイドルにはなれません。ごめんなさい。」

そう言うと去ってしまおうとする彼女。

「ちょ、ちょっと待ってください!今日これから暇ですか?良かったらもっとお話しませんか?」

凛は止めるのに必死だった。

「んー、トレーニングが終わったら特に用事は無いですけど…」

「じゃあその後でいいですから!」

「まあ、話するだけなら…」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

(こいつはやはり押せばイける)

と内心キメ顔をする凛。

「あ、自己紹介しますね!私は上空城凛です!凛って呼んで下さい!」

「こっちのちっこいのが鈴木美佳!」

「ちっこい言うな!…美佳でいいよ。」

「で、あっちのデッカイのが時任恵!」

「えっ?…あの…よろしくお願いします…」

「で、あなたのお名前は?」

「舘楓です。」

「舘楓…珍しい名前ね。じゃあ…楓って呼ぶね!よろしく!」

「…よろしく。」

照れる表情をする楓。


凛達は楓と連絡先を交換した。


「じゃあ時間になったら連絡してね。」

「分かりました。」

そして立ち去る楓。


「ナイス凛!これはマジであるぞ!あるぞ!!」

「へっへーん、どんなもんだい!」

天狗になる凛。

「と…とりあえず場所移動…しない?」

「それもそうだな、さすがに日曜に学校前ってのもな。」

「あっ、私は楓と約束あるから2人はメンバー集め頑張ってね!」

「何?アタシ達も一緒に行くんじゃねえのか?」

「二手に別れた方がメンバー集めの効率がいいでしょ?期限も間近だし、こっちは私が何とか説得してみせるよ。」

「そういう事なら仕方ないか。分かったよ。」

「うう…何の役に立たなくて…ごめんなさい。」

「だ…大丈夫だよ!恵は大事なメンバーなんだから、いてくれるだけで嬉しいよ!」

「そうだぞ!変に自分を責めたりするなよ!ちょっとでもそんな考えが起きたらすぐに言えよ!何回でもお前を必要としてやるからな!」

「美佳…ありがとう。」

「かっ…勘違いすんな!別にお前の為じゃないからな!アタシの為なんだからな!」

恵は嬉しくて涙が出た。

(美佳ってこんなに人想いだったのね。見直したわ。)

凛はそう思った。


「さーて!私は楓の所に向かおうかな!」

「お、おう!そっちは頼んだぞ!」

「よろしくね…凛。」

「まかせときんさい!」


凛と美佳恵チームはここで別れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ