7話
5時間後〜
美佳と凛にメイクされ、変身した姿を見る恵。
「嘘…これが…私?」
「なんだよ!すっげー美人じゃん。これなら行けるぞ!」
「最初は不安だったし途中からこれはもしかするかもと感じてはいたけど、まさかここまでの素材だったなんて…むしろ今までどうしてあんな姿だったのか不思議で仕方ないわ。」
凛は恵の想像以上の変化に見とれてしまった。
「私…メイクとかファッションのセンスとか無くて…」
「あー…」
それを聞き納得する美佳と凛。
「でも!少し自信つきました!お二人のおかげです!」
「ハハッ!当然だな。アタシの手にかかればどんなモブだろうと変身させてみせるさ!」
「モブは酷いよ美佳!」
「あっ、悪い…」
「ううん、平気だよ。そう言われても仕方ない見た目だったし。」
「さっそくしろちんに写真送ってやろうぜ!」
「うん!」
「そうね!」
美佳はスマホを取り出し恵の写真を撮り、白金星空へ送った。
「とりあえずこんなもんかな」
「今日は…ありがとうございました」
「こちらこそありがとう。これからアイドル活動頑張って行きましょー!」
「おー!」
3人はとても気合いに満ち溢れている。
「とりあえず、今日はお開きにしよう。明日も朝からメンバー集めだし、あと4日しかないんだ。」
「そうだね、今日は早く寝て明日に備えなきゃだよね!」
「分かりました!あ、でも私、この格好崩さないで寝ないと…」
「あ」
美佳と凛は困惑した。
「そっかー、さすがにメイク落とさないで寝るのはしんどいよなー、でも落としたらまたあの姿に…」
「いいんです!…私のセンスではこの姿には到底なれませんので…1日くらい我慢します!」
「あ!じゃあ今日私の家に泊まっていかない?そうすれば明日一緒にメイクしてあげられるし、服も貸してあげられる。こんなダs…個性的な服じゃ来る人も来なくなるし。」
「ナイスアイディア!確かに服は命取りだよなー。じゃ、解決した事だしさっそく3人で帰るか!」
「え?え?悪いですよそんな…」
「何言ってるのよ恵!私達もうアイドルグループのメンバーなのよ!迷惑なんて思わないでよね!」
「凛さん…ありがとうございますっ…」
「いいって、あーあとそれから美佳、」
「ん?何?」
「今日は私達2人で泊まるから今晩美佳は事務所で過ごしてね!」
「はぁー?なんでだよー!?」
この時美佳はこの世の終わりかのような表情をしていたという。
かくしかあって凛宅に到着した2人。
「ここが私の家。遠慮せずに上がって?」
「お…お邪魔します…」
「あ、私一人暮らしだから気を使わなくても良いからね!」
「はい…」
「そういえば年齢聞いてなかったね、私は18歳。恵は?」
「18歳です…」
「同い年なんだね!ならまずその敬語を辞めてみよう!」
「ふぇっ?…はい…分かりました…」
「あ…無理にとは言わないから、楽な方で良いよ!徐々に慣れていくでしょうからね!」
「ありがとう…り…凛…へへ…」
(はぅっ)
この時凛は恵の笑顔に胸を打たれたという。
「さ!とりあえず明日も早いし、さっそくお風呂入ってご飯食べて!明日に備えなきゃね!」
「うん!」
「恵先に入って良いよ。私は後で入るから。」
「ありがとう。お風呂借りるね。」
そして40分が過ぎ…
「凛?あのー…服が小さくて着られないよー。」
「えぇー?サイズは私とほとんど同じはず…」
脱衣所に入って飛び込んできたのは驚きの光景だった。
恵はバスタオルを巻いた状態でそこにいた。
「デッ…でっかぁぁぁあ!!」
凛は恵の胸を見てそう言い放った。
「え…えへへ…そうかなぁ?」
恵は素直であった。
そして凛はこう思った。
(何これナニコレナンダヨコレ…こんな事ってあって良いの?私の今まではなんだったの?必死に努力して75から85まで育てて来たって言うのに…そんなのないよ…)
椅子に座り白くなる凛。
「私のお母さんもおばあちゃんも何故か胸が大きい人だったんだ。」
「へ…へぇ〜…そうなんだー…」
(オーバーキルだよ!ガッデム!)
フラフラになる凛。
その夜、凛はこの世の不平等さについて考え込んでいたという。
一方その頃白金は、
「美佳からメール来てたのか、ん?んん?これが恵なのか!?ふふふ…アッハッハッハ」
美佳から送られてきた恵のメイク後の写真を見て高笑いしていた。