5話
「それはそうと!急がないといけないのならメンバーオーディションに参加してくれる人はもう決まってるんですよね?なら私も面接官をします。」
上空城凛はやる気だ。
「メンバーオーディション?そんなものはないぞ。」
「え?」
「オーディション会場を借りる予算なんて無いし、そもそも俺はパソコンの事はまるで分からん。よってホームページとか、募集のやり方とか一切分からん!街ゆく人に声かけるのみ!」
白金は自信満々に言った。
「そんなんでメンバー集まるわけないじゃないですか!」
「だってパソコン買えないし。」
「名刺は?初めて会った時にくれましたよね?どうやって作ったんですか!?」
「それは業者に頼んだ。1000円で1枚だけ作ればあとはコンビニでコピーしてそれっぽい硬い紙に貼り付ければいけるからな。」
上空城凛はもらった名刺をよく確認すると、確かに貼ってある痕跡が見られた。
「よくこんな精巧に作れますね。」
「だろー?工作は得意なんだ。」
「褒めてない!」
「えっ?」
「はぁ…」
上空城凛は呆れている。
「わかった!もういい!さっさとスカウトしてこい!この唐変木!」
「はっ…ハイッ!」
そう言うと白金は部屋を出た。
(凛は怒らせないようにしよう)そう胸に誓う美佳であった。
「私達も探しにいきましょう。」
上空城凛がそう言うと美佳はコクンと頷いてついて行った。
美佳達は商店街に着いた。
「アイドルのメンバーを募集してまーす。気になる方はお声かけ下さーい。」
美佳は棒読みだ。
「ア…アイドル募集してます!よ…よろしくお願いしャスョ」
上空城凛は噛んだ。
通りかかった人達はそれを見て笑っている。
「私やっぱりアイドル向いてないかもしれない。」
上空城凛は恥ずかしくて顔を赤くしている。
「凛ってさ、天然だよね。」
「えっ?そんな事ないよ!…多分…」
「まあいいけど。」
すると1人の少女が声をかけてきた。
髪はボサボサで顔が隠れている。
「あの…アイドル…募集…私でも…なれますか…?」
「えっ?本当に!?もちろん!」
「勝手にそんな事言っていいの!?白金さんに連絡取らないと…」
「凛!メンバーが集まればとりあえず期限が無くなるんだよ!誰彼構ってられないよ!」
「そ、そんなに期限が近いの?」
「えっ?聞いてないの?あと5日以内なんだよ。」
「い、5日ー!?」
「あ…あの…」
声かけてくれた少女は困惑している。
「あっ、ごめんね!アイドル大歓迎だよ!よろしくね!」
(なんだかマルチ商法か何かにでも加担している気分だ…)と上空城凛は思ったのであった。
「私の…名前は…時任…恵です…小さい頃から…憧れてて…よろしくお願いします…」
ギリギリ聞き取れる声量だ。
「よ…よろしくね!私は上空城凛。凛って呼んでね!」
「アタシは鈴木美佳。美佳でいいよ。」
「よ…よろしくお願いします…」
2人はかくかくしかじかあった事を恵に伝えた。
「それでも…大丈夫…です…メンバー…集め…私も…やります…」
「き、今日はとりあえずいいからさ、連絡するから番号教えて!?」
「分かり…ました…」
美佳と恵と凛は番号を交換した。
「じゃあ明日社長と合わせるからよろしくね!」
「しゃ…社長!?」
恵は社長がとりあえずなんか怖い人というイメージしか持っていなかった為、気が動転した。
「やっぱり無理ですごめんなさい!」
恵は走って行ってしまった。
「あ…れ?」
美佳は困惑している。
「きっといきなり社長に合わせるっていうのがプレッシャーになっちゃったんじゃないかな?」
「あー、アイツも一応社長だからなー、つい社長って言っちまった。」
「とりあえず電話かけてみようよ!」
「そうだな」
美佳は恵に電話をかけた。
「はい…」
「あ、さっきのアイドル募集の美佳だけど、」
「あっ…えっと…聞こえなかったですよね…すみません…私声小さくて…」
「そうじゃなくて!社長って言っても、えっと…プロデューサーなんだ!うち規模小さいからさ!そんなにプレッシャー感じるような人じゃないよ!」
「そ…そうなんですか?」
「そうそう!ちょっと変わってる奴だけど気は楽になれると思うよ!」
「それなら…いいんですけど…」
「じゃ!明日の時間と場所決まったら連絡するね!バイバイ!」
「あ…分かりました…えっと…ばいばい…」
そこで電話は終わった。
「ふーっ。なんとか食い止められたぁー」
「それにしてもなんだか暗いというか、人見知りすごい子だったよね?」
「ああ、あんなんでアイドル活動続くわけねーけど、期限伸ばすには仕方ないんだよ。」
この先本当にアイドル活動出来るのか不安になる上空城凛だった。