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23話


次の日。


美佳と凛と楓は雑談をしている。麗子はお茶を入れている。恵はちょこんと座って話を聞くのに徹している。


これからどうするか悩む。

我々の将来について悩む。

不安が残る。

金銭に余裕がない。

時間が無い。

人脈も無い。


「俺は本当に上手くやれるのだろうか…」


つい内心思った事が漏れた星空。幸い皆には聞こえていなかった。


ハッと意識を取り戻した星空。

「うわーっ!ダメだダメだ!こんな事では日本一のアイドルグループなんて夢のまた夢だ!」


突然大声を出す星空。美佳はまたいつもの始まったよ…といった様子だ。恵と楓と麗子は驚き、星空へ視線を向けた。


そして、すかさず凛が声を上げる。

「急に大声出さないでくださいよ!びっくりするじゃないですか!というか…また悩み事ですか?」


星空は白金モードのスイッチを入れた。

「ふんっ。そんな訳が無かろう!この白金星空に限って、金がないだの、時間がないだの、人脈もないだの、悩む事は決して無いっ!決してだ!」


凛は呆れた表情でため息を着いた。

「思いっきり言ってるじゃないですか。」


星空は意外と不器用であった。そして皆はそれを察していた。


美佳がニヤけながら言う。

「まあ、しろちんが悩んでる事なんて全部筒抜けも同然だけどな。」


皆がクスッと笑う。そしてぐうの音しか出ない星空。


凛が何やら思いついた表情だ。

「あ、そうだ!作戦会議やろう!なにか案ある人?」


楓は少しびっくりした様子だ。

「突然だね…そうだなぁ〜……凛の家お金持ちでしょ?私の時みたいに、もしかしたらスポンサーになってくれたりしないかなー、なんて!」


一同が内心思っていた事であった。


凛は落ち込んだ。

「それは聞いたことあるんだけどダメみたい。ごめんね。」


楓はバツが悪そうに言う。

「そう…私の方こそごめん。」


凛は

「気にしないで!他に何か思いついた事ある人は気にせずどんどん言って!」


美佳がニヤけながら言う。

「恵の水着写真集とか売ったらどうだ?」


恵が珍しく大声を上げる。

「えーっ!無理無理!絶対無理だよー!」


そして麗子が立ち上がる。

「これは絶対やろう!いい?恵、これは恵の成長を考えたら絶対に必要な事よ。これからの為にもここは人肌脱ぐべきだわ。」

麗子は自分の世界に入っていた。


ここで凛が察し、ビジネスモードになる。

「じゃあ麗子さんも一緒にどうですか!?」


「えっ、いや私は…」

ちょっとだけ嫌な顔をする麗子。


「いやいやー!2人きりでの水着写真集、絶対売れると思うな〜!」

凛は大袈裟に言う。


「2人きり…」

凛の狙ったワードに食いつく麗子。


「ビーチでオイルを塗り合う2人…」

目を閉じ手を組んでなんかそれっぽいことを言う凛。


「オ…オイルを…」

麗子の目が血走っている。


「個室であんな事やこんな事が…」

もはや演技レベルの芝居をする凛。


「うっ…」

悶える麗子。


「2人でオイルまみれで抱き合って…」

もはや詐欺師のように騙る凛。


「はうっ」

麗子はノックアウトされた。


それを見ていた楓と美佳。

「ねえ美佳、ひょっとして私もあれに引っかかった…?」

楓が気づいた。


「ああ…あいつまじで色んな意味でやばい奴だよ…」

美佳は少し恐怖を感じていた。



そして椅子に座る麗子。

「まあ、凛さんがどうしてもって言うならやりましょう。」


「じゃあお願いしますね!麗子さん!」

硬い握手をする凛と麗子。


「ちょっと!私良いって言ってないよ!」

恵が声をあげる。


「恵、さっきも言ったけど、これは恵の人生においてとっても大事な事なの。それに何が無理なの?」

麗子がものすごい勢いで説得を始める。


「だって…私なんか…売れる自信ないよ…それに…恥ずかしいし…」

恵は困っている。


「恵の体はすっごくエ…綺麗よ!それに恥ずかしい事なんて無いわよ!」

麗子は言い間違えそうになるが、何とか持ちこたえる。


「でも水着なんて…」

恵は体育座りで顔を埋める。


麗子は少し真面目な表情になる。

「いい?恵。人っていうのは大きな事を経験するとそれより小さな事なんて気にならなくなるの。例えば、ライブで緊張して間違えたら取り返しがつかないの。でも写真は間違えても何回でも取り直せる。精神を鍛えるのにはとても良い環境だと思うの。恵は変わりたいんでしょ?」


「…変わりたい…でも水着は恥ずかしいよ…」


「フッ…ならば5人まとめて写真集を出せばいいだろう!!!」

星空が声を上げる。


美佳「は?」

凛「Oh my God」(めちゃくちゃ発音良く)

楓「えーっ!」

美佳と凛と楓が同時に驚く。


「私達がこの2人と並んで…映る…」

3人とも自分の胸を見る。


「さすがにあの二人は次元が違うって…」

凛は絶望した。


「美佳、とても良いアイディアだった。感謝する。」

星空が礼をする。

「という事でもう手配したぞ。明後日からよろしくな。」


「はーっ!?」

美佳がキレる。

「ふざけんな!今すぐキャンセルしろ!」

「そーだそーだ!」

凛、楓、恵が声を合わせる。


「今からしたらキャンセル料100%取られるぞ。」


凛が聞いた。

「それっていくら…」


星空が答える。

「100万円だ。」


「嘘でしょー!」

皆に漂う絶望の表情。1人を除いては。

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