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21話

それからの星空はアイドル募集活動を必死に続けた。雨の日も、雷の日も、台風の日も…はさすがに無理なので事務所で大人しくしていた。


美佳は容態が安定し、発作は起きていなかった。だが、無理は禁物なので、基本的には事務所でスマホをいじっていた。最近は机の下がお気に入りだ。


そして11月半ば…白金は暗い表情でこう伝える。


「まだ1人もメンバーをスカウト出来てなくて本当にすまない…」


それを聞いた美佳はツンとした表情で答えた。


「まー普通こんな事務所に入りたいなんて思わねーし。」


それを受けぐうの音も出ない星空。そこに追い討ちをかける。美佳はペットボトルで星空を指差し、眉をひそめ、ニヤけながら煽るように言う。


「それよりスポンサー締め切り日大丈夫なの〜?そろそろなんじゃないの〜?」


その言葉に動揺する星空。


「そろそろアタシだけでも特訓した方がいいんじゃな〜い?」


美佳は当然の事を言っている。しかし星空の意見は違った。


「いいや!5人揃ってこその白金星空学園だ!特訓は皆で足並みを合わせてだな…」


それを聞いた美佳は機嫌が悪くなった。


「本気で言ってるの!?あと半月で4人なんて集まるわけねーじゃん!アタシだけでも活動すれば期限伸ばしてもらえるかもしれないのにさ!なんでいつもいつも失敗ばっかりしてるくせにそんなに自信あるんだよ!?」


美佳はつい熱くなってしまった。そして星空はなだめるように言う。


「聞いてくれ!これには深〜い訳があってだな…」


美佳は星空の言い方を真似して言う。


「その深い〜訳、って一体何なの?」


美佳は疑問に思う。そうだ。星空には夜空との深〜い訳があるのだ。だがそれは美佳へ伝えるとややこしくなるため言えないのであった。しかし、星空は本気で考えていた。そして思いついていた。夜空の件を伏せつつ、信用を勝ち取る素晴らしいアイデアを。


「その深〜い訳とは!…ズバリ!絆を深める事こそが1番という事だ!…」


静寂が事務所を包み込む。呆れ果てた美佳。それを見て星空が続けて言う。


「あーっ!信じてない!この子信じてなーい!これは!この白金星空の千里眼スキルによって編み出された究極の戦略かつ育成工程なのだよ!」


美佳はこれ以上は無駄だと悟り、自分の部屋に戻った。


星空は自分の能力を正確には自覚出来ていなかった。星空の人を見抜く目を駆使し、人選をする事によって最速最短での育成速度の人材の掛け合わせが可能なのだが、そもそも本人が自覚していないあやふやな能力の為、頭の中ではルートが出来ていても言語化が出来ないため、他人に理解されずにいた。


しかし、美佳もなんとなく星空の能力は本物だと心の奥底では分かっていたが、そんな訳が無いと、否定している半信半疑の状態であった。


そして何事もなく凛との出会いの日になるのであった。

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