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20話

更に1ヶ月後。8月半ば。

クーラーのない事務所で扇風機が1台回っている。

「あちー。マジで人集まらないな。」

椅子にもたれかかり、上を向き、足で机を押し椅子の足の片方を浮かせてゆらゆらさせながら言う美佳。

「そうだな。あとそれ倒れたら危ないから辞めとけ。」

飯を作りながら言う星空。

「あーはいはい。」

星空の言葉気にせずの美佳。

「神のお告げを無視すると後悔する事になるぞ?」

冗談を言う星空。

「神様?ならどうかアタシの寿命を元に戻してください。お願いします。」

手を組み皮肉で冗談を返す美佳。

「…」

押し黙るしかなくなってしまった星空。

「なあしろちー、メンバー集めってこんなもんなのか?」

「そうだな。誰彼構わず入れるだけならいくらでもできるさ。だがそんな数合わせではナンバーワンにはなれないからな。重要なのは誰に出会うかだ。」

だが、星空は意外と焦っていた。

「そりゃそうだけどさ……うっ……」

ドサッ。と音が鳴った。美佳が倒れた音だ。

「言わんこっちゃない…我が託宣を聴き逃した代償だ。反省するがいい!はーっはっはっは!」

ツッコミ待ちの星空。しかし反応がない。

「…ん?美佳?」

(そろそろドキツいツッコミが来てもおかしく無いが…)と思い振り向いた星空。

そして目に飛び込んできたのは胸を抑え苦しそうに倒れ込んでいた美佳だった。

「美佳!」

すぐに駆け寄った星空。

「胸が…く…苦し…はぁ…はぁ…」

顔を歪める美佳。

「おい!しっかりしろ!きゅ…救急車!」

そう言うと電話を取り出す星空。

「うっそー!!」

美佳は立ち上がりピンピンしている。星空をおちょくっただけである。

「はっ?はあっ?」

星空はパニックで頭が追いついていない。

「美佳!おい!しっかりしろ!だってさ!あははは!」

美佳は星空がおかしくて笑っている。

「本当に心配したんだぞ!」

声を荒らげる星空。

「ごめんごめん!」

明るく振る舞う美佳。

「お前がっ…居なくっ…なったらっ…俺は活動できるかどうかっ…」

星空はプロデューサー活動のモチベーションを美佳に依存していたため、泣き始めた。

「泣くなよ…」

星空の反応に驚く美佳。

「ア…アタシは平気だから!飯出来たら教えてくれよな!部屋で待ってるわ!」

美佳は部屋へ行ってしまった。

「そうだ…寿命なんて所詮医師の予測に過ぎないんだ。いつああなってもおかしくない。急がなくては。」

星空はここで大きな心境の変化が訪れた。


「はぁっ…はぁっ…落ち着け…いつも通りに…やればいい…」

布団に横になり苦しむ美佳。

美佳はたまに発作を起こしており、星空に心配させまいとそれを隠していた。

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