19話
1ヶ月が過ぎた頃。
朝ごはんを食べるためにリビングへ向かう美佳。
「うー…ねみー。しろちんおはよー」
「グッドモーニング!今日は白金星空特製オムレツだっ!」
星空は元気に挨拶した。
「は?朝から重すぎだろ…」
「文句言う奴は飯抜きの刑だぞっ!」
「はいはーい。いただきまーす。」
棒読みで言う美佳。
「いただきます!」
星空は大声で言った。
「うるさいなぁ…」
星空は平常運転だ。
「あ、そうだ、あと10分くらいでメンバー募集に応募してくれた子がここへ来るぞ。」
星空は突然言い出した。
「ブーッ!はぁっ!?」
美佳は突然の事に吹き出してしまった。
「うわぁ!汚ったないな!」
「急に言うからだろ!なんで前もって言わないんだよ!」
「いや伝えるの忘れてて…」
「マジかよー…って飯食ってる場合じゃない!早く準備しないと!」
「準備?なんの?」
「こんな格好で会えるわけねえだろこのハゲ!」
美佳は寝巻きで髪ボサボサの超寝起きモードだ。そして美佳はおめかししに部屋へダッシュした。
「まだハゲとらんわい!」
飯をかきこみながら突っ込む星空。
しかし美佳のおめかしは終わらず、応募者が到着した。
すべて美佳の作ったチラシからの応募であり、星空のスカウトが成功した訳では無い。
「アタシは会えないからな。」
「ああ。その小さな体を隠して見ているがいぃー。」
「一言余計だ!」
美佳は星空の足を踏んだ。
「痛っ!」
インターホンが鳴る。
「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」
「やあ。よく応募してくれたね。ではこちらへ。早速面接を始める。」
「はいっ!」
とても明るく振舞っている。
「アイドルにとって1番大事なこととは?」
「1番大事なこと…」
考え込む応募者。
「いつも明るい事だと思います!」
「ふむふむ。なるほど。次、アイドルグループにとって1番大切な事とは?」
「アイドルグループ…ですか…」
この質問には困惑する応募者。
「絆…ですかね…?」
「ふむふむ。なるほど。最後に、何か自由にアピールしてくれたまえ。」
「はいっ!私は歌って踊れる素敵なアイドルになる為なら過酷な練習にも耐えて見せます!それにお給料が少なくても頑張ります!」
「ふむふむ。なるほど。では後日、改めて返事をお送りします。本日は遠い中ありがとうございました。」
「はい!ありがとうございました!」
応募者は帰って行った。
「フンっだ!誰があんな奴入れるもんかっ!」
星空は腕を組み怒りながら言った。
「えっ?なんでだよ!見た目良かったし言ってることもかなり好感持てたけど?…っていうかなんだよあの面接は!?あんなので何が分かるっていうんだよ!?」
美佳は流石に変だと思い突っ込んだ。
「チッチッチッ…良いかい?面接と言うのは相手の本性を見抜かなければならないんだ。表面なんていくらでも取り繕う事が出来るからな。」
「ならあんな短い時間で分かるわけ無いだろ!?」
「しかしそれが出来てしまうのさ。俺にはな。」
「はぁ?」
「ならばさっきの子の後をつけてみるがいい。この事務所の事をボロクソに言っているはずだ。」
美佳は応募者の後をつけた。すると応募者が電話をしている所に出くわした。
応募者
「…あの面接官マジでやばかったわwあんなボロ事務所なんて知ってたら最初から応募しなかったっつーのwてかあの面接官の臭い演技笑い堪えるのに必死でしんどかったわw」
と会話をしている。
「そんな…本当に…」
事務所へ戻った美佳。
「なんでわかったんだ?」
「なんと言うか…直接会って目を合わせて少し会話したら相手が[素]なのか[作ってる]のか分かってしまうんだ。」
「そんなこと出来たのか!?」
「まあ…な。俺も感覚でしかないから言葉では伝えずらいんだがな。」
星空には人を見抜く力があった。
「そんな事はどうでもいいのだ!我が白金星空学園に不穏分子は不要だ!いくら可愛い、歌える、踊れるとはいえ性格が悪ければ話にならん!そんな輩こちらから願い下げであるっ!」
星空は決めポーズをした。ポーズは読者の皆さんの想像におまかせします。
「白金星空学園…ってなんだ?」
眉間にしわを寄せ親指をあて考え込む美佳。
「む?…言ったはずだが?我がアイドルグループの正式名称だ。」
美佳は覚えていた。初めてあった日に言われたその言葉がフラッシュバックした。
[本当か!?良かったら我が白金星空学園のメンバーとなってはくれないか!?]
[良かったら我が白金星空学園のメンバーとなってはくれないか!?]
[白金星空学園のメンバー…]
「あれ本当にグループ名だったのか…適当につけた仮の名前だと思ってたぞ…」
美佳は落胆し、膝から崩れ落ちた。
「そんな訳が無かろうが!この白金星空。満を持して世に送り出すにふさわしい名前ではないか♪」
るんるんな星空。
「そんな訳あるかー!」
美佳はスリッパを投げつけた。それは顔面へ一直線だ。
「バシッ!」と音が鳴り、星空の視界には星が漂っていた。




