17話
時間が経ち、お腹が鳴る美佳。
「腹減ったー!」
そう言いながら白金の部屋へ突撃する美佳。
「おいなんか食わせろ!腹減ったぞ!」
白金は正座をしている。指をつんつんしている。凹んでいた。
「はっ!...ハイッ!」
すぐに起立し、台所へ向かう星空。
「少し言い過ぎたかな。」
凹む星空を見て少し罪悪感を感じる美佳。
謝ろうと台所へ向かう美佳。
「さっきはごめ...」
謝りかけたその時、星空が料理をしている所が目に入った。今までの言動からは思いもよらない行動に思わず黙ってしまった。
20分程で料理が完了した。
「お...お前料理出来たのか...」
気まずそうに言う美佳。
「まあn...いえっ、はい!出来ます!」
気が抜けて素が出てしまうも取り戻した星空。
「もう...いいよそれ。さっきは言い過ぎたよ。ゴメン。」
「えっ?急にどうした...?」
しおらしくなる美佳に恐怖を感じる星空。
「...はいはい。いただきまーす。」
もう面倒になりご飯を食べ始める美佳。
「うーん、思ってたより普通だな。」
「すみません!」
「いいって。普通にしてよ。」
「いいのか...?」
「いいって言ってるだろ!」
「うっ...分かった...」
「全く...」
「いただきます...」
星空も食べ始めた。
それから沈黙がしばらく続いた。
「実はアタシあと3年で死んじゃうんだよねー。」
突如、冗談を言うかのような雰囲気で言葉を放つ美佳。
「は?」
呆然とする星空。
「お、おいおい...冗談言う空気じゃないだろ...」
「...そうだな。」
美佳はその言葉を肯定するかのような雰囲気だ。
「待て...嘘だ...」
星空は立ち上り、真剣な表情で言った。
「本当だよ。アタシの人生はあと3年で終わり。もうどうしたらいいのか分からないんだ…」
美佳は急に表情が暗くなり、涙ぐむ。
『説明しよう!美佳は嘘をついている。演技をしている。星空に短命だと知らせれば、今までの行いを水に流してくれるだろうとか、これからは優しくしてくれるだろう、等というそれはもう浅〜い思惑があったのだ!』
なんてそんなことは無い。
「アタシは現実に耐えられなくて逃げた。家出…って奴?…アタシの人生はあと3年で終わる…もう…どうにでもなれば…いいんだ…」
美佳はだんだんと声が震え出し、泣いてしまった。
それを見かねた星空が言う。
「ならば!この白金星空がお前…鈴木美佳の余生を最高の人生にしてやろうではないか!病気?憂鬱?そんなものは気合いで吹っ飛ばしてしまえ!…などとは言わん。しかし!周りの人間がフォローすれば、そんなものは気にならんくらい充実した時間を過ごせるだろう!アイドルとは、皆に元気を与える仕事である。だが、同時に元気を貰える仕事でもある。お前はナンバーワンになって、そして散るのだ。桜のようにな。」
白金は熱く語った。
「散ってるじゃねーか…ばか…」
美佳は涙を拭いつつも笑顔を取り戻した。
「う…うるさいっ。」
突っ込まれて言葉に詰まる星空。
「あーあ!なんか泣いたらスッキリした!もう寝るわ!」
そういうと颯爽と部屋へ向かう美佳。
「あっおい!」
手を伸ばし引き止めようとする星空。
「アタシの人生最高にしてくれよな!おやすみぃ〜」
体を傾け顔をドアから出しながら言い、そのまま部屋え行ってしまった美佳。目元は赤く、涙目だが、とても可愛い笑顔であった。
「まったく…世話がやけるな。」
星空は思いのほか気分がポカポカしていた。




