15話
皆で談笑しながら事務所へ戻る一行。
「いやーしかし凛君、キミは本当にすごいね。我社に欲しいくらいの人材だよ。」
夜空は笑いながら話す。
「いやいや〜!ぜんぜんそんな事...ありますけども!」
凛は冗談をいい皆を笑わせる。
「よっ!お調子者!」
楓がガヤを入れる。
「あっはっは!控えおろう!」
凛は調子に乗った。
「このデカパイ寄越せ恵ぃ〜!」
恵の胸を背後から手を回し下から揺らす凛。
「やっ...やめてくすぐったいよ〜!」
恵はそう言うが本当はいじられてちょっと嬉しかった。
それを羨まけしからんと凝視する麗子。
「あっそうだ!麗子さんこっちに来て!」
凛はそういうと2人の間に入り麗子と恵を引き寄せた。
「2人ぱふぱふ〜!」
「ぶっ!」
麗子は吹き出してしまった。
みんなは笑っている。
しかし麗子だけはベクトルの違う笑顔だ。
ちなみに忘れてる人もいるかもしれないが、麗子はシスコンである。
凛は自分でやったのにも関わらず、すごい圧力にただただ屈し、絶望の表情を浮かべるのであった。
「自業自得。」
楓はコソッと言い放った。
そうこうしている内に事務所へ到着。
「ただいまぁ〜!」
元気に挨拶する凛。
「おっ...おう...早かったな...」
目が泳ぎ、気まずそうにしている星空。
「どうしたの?」
星空の様子がおかしく、気になって声をかける凛。
「いや...実は伝えねばならぬ事があってだな...」
うつむきながら言う星空。
「何?もしかして私が辞めなきゃいけない事?」
少々怒り気味な凛。
「何っ!?どうしてその事を...」
「俺が説明したんだよ全く。」
夜空が話を割って部屋に入ってきた。
「なっ!?貴様っ!なぜここにいる!?」
「お前の事だから怖気付いて伝えられずにいると思ってな。」
「ぐっ...それはそうだが......そういう事か...」
凛を見て納得する星空。
「前にも同じような事がありましたね。なんで黙ってたんですか?私が辞めなきゃいけないって知ったら辞めると思ったんですか?」
「...ああ。」
「私ってそんなに信用無いんですか?」
「そんな事は...」
「じゃあ矛盾してるじゃないですか。」
「...ああ...」
パシッ
凛は星空の頬を思いっきりビンタした。
「痛っ!」
「しっかりして!あなたは白金星空学園を引っ張っていく社長なんでしょ!?ウジウジするな!自信を持て!私が保証する!嫌になったら愚痴を吐きに来て!悩みを1人で抱えるな!もっと私を頼ってよ!!」
凛は様々な感情が溢れ、声が震え、涙をこぼしながら叫んだ。
「凛...すまない...すまなかった。俺が優柔不断ないせいで...」
星空も涙をこぼした。
「違う!あなたは優柔不断なんかじゃない!ただの臆病者よ!」
「...」
星空は黙った。
「昔アイドルのプロデューサーなんでそう簡単になれないんだから今更頑張ったって意味無いって言ってたらしいわね。それって優柔不断なの?私にはリスクを避けたいだけの臆病者にしか見えないわよ。...それで?父親に期限を制限されてニート生活もおしまいは嫌だからってアイドル募集の活動始めたの?」
「それは...っ...」
星空は何か言おうとしたが黙った。
「やっぱり...まだ隠してる事があるみたいね。」
凛は感情がぐちゃぐちゃにも関わらず誘導尋問をしていた。
「...」
美佳を見て黙る星空。
「やっぱり私って頼り無い?」
凛はそれに気付かず詰める。
「しかし...」
星空は伝えるか悩む。
「もういいよ。アタシの事は。言いなよ。」
星空に促す美佳。
「いいのか?」
再度確認を取る星空。
「えっ美佳...?なに...?どういう事?」
予想と違う反応に思わず困惑する凛。
「もうここまで来たら言うしか無いだろ。しろちんが伝えてよ。」
何やら諦めた様子の美佳。
すーーっ...はーーっ...
深呼吸をし真面目な表情になる星空。
「美佳の余命があと3年なんだ。」
小雨が降ってきていた事に気づく程の静寂に包まれる事務所兼、星空の部屋。




